フィットネス

ベンチプレスが伸びないのはなぜ?山本義徳氏が解説する3つのダメな理由と伸ばし方!

ベンチプレスは筋トレの代表的な種目であり、フリーウェイトトレーニング種目のBIG3としても数えられています。普段ジムに通っている人であれば「ベンチプレス何キロ上がる?」と聞かれることも珍しくありません。

しかし、ある程度の重量を上げられるようになったところで、ベンチプレスの重量が伸び悩んでしまう人も多いものです。ベンチプレスが伸びない理由は主に疲労が抜けていないこと、そしてプラトー(停滞期)に陥ってしまっていること。セット数とインターバルに気をつけることで疲労を避け、さらにプラトーから抜け出して重量を伸ばすためのセットの組み方を実践することで、どんどんベンチプレスを伸ばすことができるでしょう。

ベンチプレスが伸びない人がやってしまいがちな3つのこと

ベンチプレスを伸ばすためには追いこみが必要だと思うあまりに、疲労が蓄積するようなトレーニングになっていませんか?ベンチプレスを行っているとつい、たくさんのセットをこなそうとしたり、セットごとに重量を落としたりしがちです。しかし、そのセットの組み方が、ベンチプレスが伸びない原因となっている可能性があります。

オーバーワーク(やりすぎ)に陥っている

まず第一に考えられるのは「トレーニングのやりすぎ」です。ベンチプレスを伸ばしたいがために、何セットも行ってしまうのがやりすぎの原因となります。

ベンチプレス100kgを目指す人がよく、80kgで5-6回行い、そのあと70kgでさらに10回行う。そこからさらに重量を落として何十セットも重ねていくという方法でトレーニングを行っています。しかしそのやり方が大胸筋・三角筋・上腕三頭筋のオーバーワークの原因となっているのです。

それまでベンチプレスを8~15セットほどで行っていた人であれば、思い切って2セットに減らしてみてください。おそらく、これまで伸びなかったベンチプレスが急に伸びることでしょう。

オーバーワークとは?
トレーニングのセット数やトレーニング頻度が多くパフォーマンスが伸びなくなっている状態、あるいは低下してしまっている状態のこと

関連記事:オーバーワークとは?避ける方法を山本義徳先生が解説

セットごとに重量を下げている

ベンチプレスを行う際、多くの人が1セット目80kg→2セット目70kg→3セット目60kgと下げて行うことでしょう。しかし、重量はセット毎に変えないことが、ベンチプレスを伸ばして行く上では重要です。

なぜなら、重量が下がるほど使われるモーターユニットの数も少なくなってしまうからです。

例えば80kgでベンチプレスを行い、セットごとに重量を落としていき、50kgまで下げたとします。この場合、最終的には8分の5くらいのモーターユニットしか使われていない事になり、動員される筋繊維の数も少なくなります。これではセットを重ねる意味は全くなく、ただ疲労がたまるだけ、という事になってしまいます。

1セット目に80kgでできるだけの回数を行ったら、2セット目も同じ重量で行いましょう。高重量を扱うためには、たくさんのモーターユニットを働かせることが必要になります。

同じ重量で行うと、2セット目で上げられる回数はもちろん減ります。しかし、同じ重量を扱う事で、よりたくさんのモーターユニットを使えるようになることが、ベンチプレスを伸ばす上でより重要なのです。

モーターユニットとは?
1本の神経と、その神経が支配している筋繊維の事をさす単位。筋肉の部位によって1本の神経が支配する筋繊維の数は異なります。

インターバル(休憩)が短い

ベンチプレスが伸びないそのほかの原因として「インターバルが短い」ことが上げられます。

セットを重ねるごとに、疲労によって上げられる回数がどんどんと減ります。しっかりインターバルをとって回復させることによって、次のセットでも多くのモーターユニット、つまり筋繊維を使うことができるようになります。

山本義徳先生の知り合いで「どんな人でもベンチプレス100kgを上げられるようにできる名物トレーナー」がいるそうです。そのトレーナーの秘訣とは、”インターバルは絶対に5分とる”ということ。

混んでいるジムでベンチプレス台を長く占領してしまう事には抵抗があるかもしれません。プレッシャーをかけられて、1分や2分のインターバルで次のセットに進みたくなってしまうこともあるでしょう。そこを耐えてしっかりとインターバルをとる事が重要です。

競技としてベンチプレスを行うベンチプレッサーの場合は、より回復を重視するためにインターバルを10分とる人もいます。トレーニング時間が長くなりすぎない範囲であればインターバルを5分よりも長めにとっても良いでしょう。

ベンチプレスを伸ばすためには?

ベンチプレスが伸びない原因となる、疲労をさせない方法はお分かりいただけたかと思います。そして、疲労というマイナス要因を取り除いた上で、さらにベンチプレスを伸ばしていくにはどのようにすれば良いのでしょうか?

基本となるフォームを改めて見直し、プラトー(停滞期)にならないために戦略的に刺激を変えていく方法で、効率よく伸ばしていきましょう。

さらに上を目指したい人は、山本義徳先生が260kgを上げた時のトレーニングを参考にしてみてください。

正しいフォームを身につける

ベンチプレスを伸ばしていくにあたり、重要な土台となる正しいフォームは出来ていますか?正しいフォームを身につけることが、怪我を防ぐだけでなく、効率よく身体を使い、より重い重量を上げることにつながるのです。一見シンプルな種目ですが、押さえておきたいチェックポイントがあります。

開始姿勢

まず、バーの真下に顎が来る位置で、開始姿勢を作りましょう。ラックアップのあと、少ない仕事量でバーをスタートポジションに持っていく事ができるからです。

手幅

バーを胸に下ろしたときに前腕と地面が垂直になる手幅で握るのが、ベンチプレスの標準的なフォームです。平均身長くらいの男性であれば、81cmラインに小指が来る位置が目安です。

そして、手のひらの付け根の位置である手根と呼ばれる部分にバーを乗せて手首はまっすぐ立て、バーを持ちます。

下ろす位置

みぞおちのあたりに下ろし、そのまま垂直に上げます。下ろす位置が上すぎると肩に負担がかかり、怪我につながってしまうので注意が必要です。

ベンチプレスを40kgから100kgまで伸ばす方法

一般的な男性の場合、初めてのベンチプレスで扱える重量はだいたい40kgくらいです。そして多くの人が、いつかは100kgの重量でベンチプレスを上げられるようになりたい、という目標を持っていることでしょう。

しかし、重量が右肩上がりで増えていくということはなく、停滞期(プラトー)は誰にでも必然的に訪れます。プラトーの原因は身体が同じ刺激に慣れてしまうこと。ある程度の重量が上げられるようになったら、戦略的に刺激を変えていく事で効率よくベンチプレス100kgの大台を狙うことがでます。

40kgから60kgへの伸ばし方

まずは、基本である「10回3セット」を伸ばして行きましょう。ここで大切なのは1セット目から10回ギリギリになるような重さでは行わない事です。

1セット目は余裕をもって10回行い、2セット目は少しキツいと感じるレベルで10回、3セット目はギリギリ10回。この3セットをインターバル5分で行っていきます。

初心者であれば、中3日くらいの頻度で行いましょう。

60kgから80kgへの伸ばし方

ある程度伸びてきて、60kgほどでセットを組めるようになったら、「10回3セットの日」と「5回3セットの日」に分けてみましょう。60kgで10回上げることができる人の場合、70kgで5回くらい上げることができるはずです。60kgで10回3セット行う日、70kgで5回行う日を、中3日の頻度で交互に行います。

10回3セットが達成できたら、重量を2.5kg増やし、62.5kgで行います。60kgで10回3セットできる人が、62.5kgでベンチプレスを行うと1セット目10回→2セット目9回→3セット目8回のように、上げられる回数が減っていくはずです。62.5kgでも10回3セットができるようになったら、また2.5kg増やし今度は65kgで行います。

80kgから100kgへの伸ばし方

80kgから90kgくらいが扱えるようになったら、今度はネガティブトレーニングを行ってみましょう。100kgがギリギリ上がらない人でも、100kgをゆっくり下ろすことならできるはずです。

例えば95kgを上げることができる人であれば、10%加重した105kgで、まずは自分の力でゆっくりと下ろします。そして、パートナーの補助の力を借りて上げ、また自分の力でゆっくりと下ろします。

「10回3セットの日」「5回3セットの日」「ネガティブの日」と分けて行うと良いです。

ネガティブトレーニングとは
筋肉の動きには、縮みながら力を発揮する「ポジティブ」と、伸ばされながら力を発揮する「ネガティブ」の2つの局面があります。(コンセントリック、エキセントリックと呼ばれることもあります。)ベンチプレスの場合は、バーを上げる動作がポジティブ、下げる動作がネガティブにあたります。ネガティブの局面では、ポジティブよりも重い重量を扱うことができます。高重量を用いて下げる動作を中心に行うトレーニングを、「ネガティブトレーニング」と呼びます。

山本先生がベンチプレスを260kg上げた方法とは?

本格的なボディビルトレーニングに移行する以前は、ベンチプレスを260kg上げたことでも有名な山本義徳先生。200kgを超えて260kgに達するまでに行っていたトレーニング方法でも、ヘビーな日とライトな日に分けることにより、刺激の与え方に変化をつけています。

分割方法

全身を4分割に分けたトレーニングを行います。

「胸・上腕二頭筋の日」の翌日に「脚の日」のトレーニングを行います。その後、1日休みを入れて、「肩・上腕三頭筋・背中の日」。また1日休みを入れて、「胸・上腕二頭筋の日」に戻ります。

胸・上腕二頭筋の日

この日は、ヘビーな重量のベンチプレスを6回3セットで行います。

肩・上腕三頭筋・背中の日

こちらの日は、ライトな重量でベンチプレスを行います。6回3セットできる重量の80%で、フォームに気をつけながら爆発的に上げるというやり方で行います。

そのあと、上腕三頭筋のトレーニングとして、ヘビーな重量でナローベンチプレスを行います。

まとめ

ジムに行ったことがない人でも「ベンチプレス」という言葉は知っているというくらい、ベンチプレスは有名な、そして人気な種目です。そして「ベンチプレスが強い」というだけで、ジム仲間から尊敬の眼差しを浴びることだってあります。

”ベンチプレスが伸びない原因となる、やってはいけないこと”、そして”効率的に伸ばすトレーニングプログラムの組み立て方”を実践して、ぜひ周りの人と差をつけましょう!

記事監修者 情報

山本 義徳(やまもと よしのり)

静岡県出身の日本のボディビルダー、トレーニング指導者。
プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。
2019年4月から投稿を始めたYouTubeチャンネル『山本義徳【筋トレプログラム】』を開設。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)(下)

【SNS】
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