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筋トレの効果を高めるためには炭水化物が必要!1日の摂取量を解説

バルクアップに必要なものといえば、たんぱく質の摂取が頭に思い浮かびますが、実は炭水化物もたんぱく質と同じくらい筋肉の発達に大きな役割を担っています。

炭水化物の摂取が不足しているとトレーニング効率が悪くなり、筋トレ効果が出ない可能性があります。

では筋トレの効果を高めるためには、実際にどのくらいの炭水化物を摂取すればいいのでしょうか。

今回は、筋トレに炭水化物が必要な理由・適切な摂取量を解説します。この記事を読んで炭水化物の役割を学び、筋トレの効果を高めていきましょう。

筋トレをする際に炭水化物は大切!

バルクアップ目的で筋トレする場合は、たんぱく質の摂取量を増やす事に目がいきがちです。もちろん筋肉の材料になるたんぱく質の摂取は肉体改造に欠かせませんが、炭水化物の補給もおろそかにしてはいけません。なぜなら、トレーニングの際にエネルギーとして利用されるのが炭水化物(糖質)だからです。

炭水化物とは糖質の事で、ご飯・パン・パスタ・うどんなどの主食に多く含まれている栄養素です。脳や身体を動かすエネルギー源の1つであり、たんぱく質・脂質より優先して使われます。

炭水化物は体内で糖質に分解され、筋肉・肝臓でグリコーゲンとなってエネルギー源として貯蔵されます。炭水化物が不足すると身体は体内のたんぱく質を分解し、エネルギーを作ろうとします。たんぱく質が減ると筋肉の合成が進まないため、筋トレの効果が期待できません。

炭水化物(糖質)は脳のエネルギー源でもあるため、十分な糖質を補給していれば、高い集中力を持ってトレーニングに臨めます。

このように炭水化物にはたくさんのメリットがありますが、必要以上に摂ると余った炭水化物が中性脂肪となるため、摂取量には注意しましょう。

炭水化物を抜いた筋トレは非効率

炭水化物を抜いた状態で筋トレすると、身体にどのような影響があるのでしょうか。ここでは、炭水化物を抜くデメリットを2つ紹介します。

エネルギーが不足し高強度の筋トレができない

炭水化物から作られるグリコーゲンは、筋トレに欠かせないエネルギー源です。十分なグリコーゲンが体内にあると集中力が維持でき、強度の高いトレーニングがおこなえます。
そのため、炭水化物を摂らないとグリコーゲンが足りず、筋肉を動かすエネルギーが不足して、高い負荷のかかるトレーニングがおこなえません。結果として筋トレ効果は下がってしまうでしょう。

グリコーゲンを作るためにも炭水化物は、必要な栄養素といえます。

ちなみに炭水化物を減らしたとしても、脂質を十分に摂取していれば、ケトン体をエネルギーとして使えるようになります(これをケトーシスと呼びます)。この状態になれば、ある程度高い負荷のかかるトレーニングもおこなえます。詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

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糖質の摂取量が減ると筋肉が筋肥大化ができない

炭水化物を摂取すると、インスリンというホルモンが放出されます。インスリンは血液中にある糖分を身体中に届けて血糖値を下げるだけでなく、筋肉の材料となるたんぱく質(アミノ酸)を筋肉へ運んでくれます。

しかし、炭水化物を抜くと、インスリンの分泌量も下がります。

エネルギー源となる糖質が不足すると、身体はたんぱく質を分解してエネルギーを作り出します。筋肉の合成に使われるはずのたんぱく質がエネルギーとして使われて筋肉が合成されにくくなり、筋肥大化につながりません。

筋トレする際の炭水化物摂取量はどれくらい?

筋トレには炭水化物の摂取が重要と前述しましたが、炭水化物は必要以上の量を摂りすぎると肥満につながるため、適量を知っておく必要があります。

炭水化物の摂取量を知るための参考となるのが「PFCバランス」です。
PFCとはたんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)の頭文字をとった言葉で、PFCバランスは3大栄養素の比率を意味します。バルクアップや減量などの成果を出したい場合はPFCバランスを考慮しながら、炭水化物を摂取すると良いでしょう。

以下の記事を参考に、1日に必要な摂取カロリーをシミュレーションしてみましょう。

バルクアップのカロリー計算方法|筋トレ中のPFCバランスを山本義徳が解説本記事では、増量期と減量期におけるPFCバランス及び摂取カロリーの設定方法までを具体的に解説している。...

バルクアップ目的の場合

バルクアップを目的とする場合は、たんぱく質30%・脂質20~30%・炭水化物40~50%のPFCバランスがオススメです。炭水化物を多めに摂る理由は、炭水化物から生まれるグリコーゲンやインスリンが筋肥大に欠かせない要素だからです。

また、バルクアップの際は、摂取カロリーも重視しましょう。

1日に必要なカロリーが3,000kcalの場合、たんぱく質・脂質・炭水化物のそれぞれの割合は以下のようになります。

  • たんぱく質:900kcal
  • 脂質:600~900kcal
  • 炭水化物:1200~1500kcal

炭水化物は1gあたり4kcalのため、1日300~375gが必要です。茶碗1杯のご飯(150g)には約57gの炭水化物が含まれているため、1日5~6杯を摂取してください。

減量目的の場合

減量を目的とするなら、たんぱく質15~30%、脂質60~70%、炭水化物10~15%のPFCバランスに設定しましょう。1日のカロリー配分は次のとおりです。

  • たんぱく質:450~900kcal
  • 脂質:1800~2100kcal
  • 炭水化物:300~450kcal

減量したい場合は炭水化物の摂取量を減らし、通常の食事より脂質を意識的に摂る事が重要になります。牛肉・豚肉・ナッツなどを摂取し、目標の脂質量を補給しましょう。
炭水化物の摂取量は1日75~112gが目安です。茶碗にして1.5~2杯程度の量を食べてください。

まとめ

炭水化物はトレーニング時のエネルギー源として必要な栄養です。不足すると身体はたんぱく質をエネルギーにしてしまい、筋肉の合成が進みません。

炭水化物を摂取するとインスリンというホルモンが放出されます。インスリンは筋肉へ栄養を届けるため、炭水化物を積極的に摂ってインスリンの量を増やしましょう。

ただし、炭水化物は必要以上に摂取すると肥満につながります。そこで重要となるのが、PFCバランスです。

バルクアップ目的・減量目的でそれぞれ効果的なバランスが変わるため、今回紹介した記事を参考に適切なPFCバランスで摂取しましょう。

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
静岡県出身の日本のボディビルダー・トレーニング指導者。プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。サプリメントにも精通しており、サプリメント博士の異名を持つ。
2019年4月に開設したYouTubeチャンネル『山本義徳 筋トレ大学』は登録者数69万人を超える。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

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