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トレーニングの効果を高める食事法とは?摂取タイミングやオススメメニュー

トレーニングの効果を高める食事法とは?摂取タイミングやオススメメニュー

トレーニングに励む人にとって、特に知りたいのは筋肉を増やす効果をさらに高めるための食事法やメニューではないでしょうか。
特にトレーニング前後の食事や、プロテインを摂取するタイミングを知りたいと思っている人は多いでしょう。

この記事では、トレーニングの効果を高めるための食事法や、具体的な食事のタイミング、オススメのメニューをご紹介します。

トレーニング効果を高める食事のタイミングとは?

バルクアップを目指すうえで、トレーニングの効果を高めるにはプロテインなどのサプリメントの摂取もさることながら、食事を摂るタイミングも大切です。
ここからは、トレーニングの前と後に分けてそれぞれ具体的にどのタイミングで、どのような食事を摂るべきかを解説します。

トレーニング前

まず、空腹でのトレーニングは避けましょう。空腹時は体内のアミノ酸濃度が低下し、エネルギー不足に陥っているため、筋肉を分解してエネルギーを補おうとします。

筋肉が分解され続ければ筋肉量の減少につながり、基礎代謝量の低下や、トレーニングをしても筋肉が増えない状態になりかねません。

また、トレーニングの直前に食事をするのも避けたほうが良いでしょう。食事の直後は、消化器官に血液やエネルギーが集中します。そのタイミングでトレーニングをしてしまうと消化不良が起きる可能性があり、栄養がきちんと吸収されません。

最適な食事のタイミングは、トレーニング開始の120~180分前です。トレーニング開始の時点で血中のアミノ酸濃度を高めておくために、たんぱく質の補給をメインにしましょう。

糖質は、トレーニング前日の夕食、または当日の朝食に摂るのがベストです。糖質を摂取すると、筋肉や肝臓にグリコーゲンとして貯蔵され、トレーニング中のエネルギー源として利用できます。

ただし、トレーニング直前の糖質補給はあまり好ましくありません。血糖値が急激に上がり、インスリンが分泌される事で平常時よりも血糖値が低下する可能性があります。

血糖値が低い状態でのトレーニングは効果が出にくく、身体にも負担がかかるため、トレーニング直前の糖質補給は避け、トレーニング前日の夕食や、当日の朝食に摂るようにしましょう。

もし、トレーニング前の食事が難しい場合は、プロテインを摂取する事で空腹を避けるようにしましょう。プロテインでの補給は手軽かつ効果的です。トレーニングの60~70分前にプロテインを飲んでおけば、血中のアミノ酸濃度が高まった状態でトレーニングを開始でき、筋肉の分解を防げます。

プロテインを摂取するタイミングについて、詳しくは山本義徳先生の解説動画「【プロテイン】山本義徳先生が考える本当のゴールデンタイムとは【飲み方】」もあわせてご覧ください。

トレーニング後

トレーニングで筋肉を使った後は、筋肉の合成能力が高まっている絶好のタイミングです。トレーニング直後の食事は消化の関係で難しいため、トレーニング直後はプロテインやEAAを摂取してください。食事は1時間以上経ってからにします。

トレーニング後の食事は、たんぱく質と糖質を中心に、ビタミン・ミネラル・食物繊維・脂質をバランス良く含んだ食事を心がけましょう。

特に、たんぱく質はトレーニングで損傷した筋組織を修復する材料になり、糖質は筋肉に栄養を運ぶインスリンの分泌を促進させ筋肉の合成をサポートしてくれるため、積極的に摂るようにします。

参考:筋トレの効果MAXにするための食べ物と食事メニュー|江崎グリコ株式会社

トレーニングに効果的なオススメ食材

ここでは、トレーニングで筋肉を増やしたい人に適した食材をご紹介します。オススメメニューのレシピも公開しているので、ぜひ参考にしてみてください。

卵は、良質なたんぱく源でありながら安価に入手でき、調理も簡単な食材です。単独で摂取するほか、チーズや鶏肉など、別の食品と組合せるのも良いでしょう。

目玉焼きやスクランブルエッグなどが手軽な食べ方ですが、オススメは栄養の吸収率が高い半熟煮卵です。卵を水に入れて、沸騰したら3分間茹でるだけで完成します。

鶏肉

鶏肉は比較的安価で購入でき、たんぱく質が豊富なので、トレーニングの効果を高めるのに最適な食材です。チキンステーキや筑前煮など、さまざまな料理に使えます。

オススメのメニューは、簡単に作れるシンプルな「チキンソテー」です。レシピを参考に、ぜひ作ってみてください。以下では、鳥もも肉を使ったレシピを紹介していますが、脂肪の摂取を抑えたい場合は、皮を取り除いた胸肉やささみを使いましょう。

【材料】

  • 鶏もも肉 1枚
  • 塩こしょう 適量
  • 油 小さじ1(※皮から出る油で代用できるので、少量で可能)

【作り方】

  1. 鶏肉を開き、脂身と筋を取り除きながら厚みを均一にする
  2. 塩こしょうを両面に振る
  3. フライパンに油を引いて、皮目から強めの中火で焼く
  4. 焼き色がついたら上下を返し、水を20ml程度加えて弱めの中火で焼く
  5. 火が通ったら完成

豚肉

豚肉は、たんぱく質と脂質がバランス良く含まれている食材です。生姜焼きやホイコーローなど、ボリュームたっぷりのメニューも数多くあります。

以下では、定番のポークソテーの作り方をご紹介します。

【材料】

  • 豚ロース肉 200g
  • 塩コショウ 適量
  • 小麦粉 適量
  • 醤油 大さじ1
  • 調理酒 大さじ1
  • 調理油(バターやサラダ油)

【作り方】

  1. 豚ロース肉を冷蔵庫から出し、常温に戻しておく
  2. 肉の筋を包丁の刃先で断ち切る
  3. 焼く直前に塩コショウをふる
  4. 肉に小麦粉を薄くまぶしておく
  5. フライパンにバターやサラダ油を引いて熱する
  6. 豚ロース肉を入れて、両面、それぞれ焼き色がつくまで強火で加熱(3分ほど)
  7. 焼き目がついてきたら、醤油と調理酒を加える
  8. とろみがついてきたら完成

牛肉

牛肉は、たんぱく質・や脂質・、ミネラルの多い食材です。ただ、部位によっては脂質の少ないところもあるので、バルクアップを目的とする場合は、肩ロースや外もも肉など適度に脂質が含まれる部位を選ぶ必要があります。

ここでは、シンプルな「牛ステーキ(焼き加減ミディアム)」の作り方をご紹介します。

【材料】

  • 牛もも肉 200g
  • 塩コショウ 適量
  • 調理油(バターやサラダ油)

【作り方】

  1. 牛もも肉を冷蔵庫から出し、常温に戻しておく
  2. 肉の筋を包丁の刃先で断ち切る
  3. 焼く直前に塩コショウをふる
  4. フライパンにバターやサラダ油を引いて熱する
  5. 牛もも肉を入れて、両面、それぞれ焼き色がつくまで強火で加熱(3分ほど)
  6. 火を消して、アルミホイルをかぶせて3分ほど置いておく

魚介

魚介類は、高たんぱく質で低脂質なものと、適度に脂質を含むものがあります。低脂質なのはタラ・タイ・エビなどで、適度に脂質を含むのは、サバ・アジ・サンマなどが代表的です。

バルクアップが目的であれば、適度に脂質を含む魚を選ぶと良いでしょう。食べ方は刺し身のほか、脂質の酸化を抑える蒸し焼きがオススメです。

大豆

大豆は「畑の肉」と呼ばれているだけあり、植物性食品のなかでもたんぱく質を多く含んでいます。

たんぱく質のほかにも鉄分を多く含んでいて、ビタミンCを含む食品と一緒に食べると栄養の吸収率が高まります。

煮豆や納豆、冷奴、湯豆腐などで手軽に摂取できますが、オススメメニューは豆腐ステーキです。

【材料】

  • 木綿豆腐 1丁(300g)
  • 豚こま切れ肉 100g
  • にんにく 1かけ
  • 醤油 大さじ1
  • オリーブオイル 小さじ1杯半

【作り方】

  1. 豆腐の厚みは半分にしておく。豚肉は粗く刻み、にんにくは薄く切る。
  2. フライパンは強火で寝し、オリーブオイルをなじませておき豆腐を入れて焼く。こんがり焼けたら、反対も焼き色がつくまで焼いて器に盛る。
  3. フライパンを拭いて、再度オリーブオイルとにんにくを入れたら弱火で熱する。少し色がついたら豚肉を入れてほぐしながら炒める
  4. 醤油で味を調え、味がついたら汁ごとかける

乳製品

乳製品のなかでは、チーズにたんぱく質が多く含まれています。コンビニでも小分けにされたチーズを手軽に購入できるので、手間をかけたくない場合に便利です。

バルクアップにオススメなのは、たんぱく質と脂質のバランスが優れているパルメザンチーズ(粉チーズとして販売されているもの)やプロセスチーズ※です。

※プロセスチーズは乳化によって形成した加工チーズの総称ですが、ここではコンビニやスーパーでもよく見かける、スライス状のチーズや小分け包装された6Pチーズのことだとイメージしてください。

野菜と豚ひき肉を使ったタコライスに、パルメザンチーズやプロセスチーズをかければ、豚肉とチーズのたんぱく質に加えて、糖質と食物繊維も摂取できます。塩分過多にならないように注意して料理に取り入れると良いでしょう。

トレーニングに必要なたんぱく質を摂取できる食べ物について、詳しくは山本義徳先生の解説動画「山本義徳氏が選ぶ!タンパク質が摂れる最強の食材ベスト3」もあわせてご覧ください。

バルクアップ目的なら糖質をあわせて摂取

筋肉量を増加(バルクアップ)させたいのであれば、「摂取カロリー > 消費カロリー」になるように糖質もあわせて摂取する必要があります。
筋肉の肥大には、材料となるたんぱく質だけでなく、インスリン分泌を促す糖質が不可欠です。

食材としては、消化の良い餅やパスタをオススメします。ただし、日本で売られている乾燥パスタや生パスタは、普通の小麦粉(強力粉)や卵が使われている商品もあるため、バルクアップには不向きです。選ぶなら、デュラム小麦が多く使われているパスタがオススメです。デュラム小麦は普通の小麦粉よりもたんぱく質の含有量が多いため、バルクアップに適しています。

パスタを選ぶ際は、デュラム小麦と水だけで作られているかどうかをチェックするようにしましょう。

バルクアップを目指す人にオススメの食べ物について、詳しくは山本義徳先生の解説動画「山本義徳氏が選ぶ!バルクアップに必要不可欠な食べ物ベスト3」もあわせてご覧ください。

参考:
大豆タンパク質は様々な健康効果が期待できる!|森永製菓株式会社
筋トレ+お肉!肉を味方につけてカラダづくりに活かすには?|森永製菓株式会社

まとめ

トレーニングで筋肉を増やしたいと思ったら、食事に注意を払う必要があります。たんぱく質と糖質を中心に摂取する事が重要です。

食事のタイミングは、トレーニングの120~180分前とトレーニング後を心がけましょう。オススメの食材は、卵・肉類・魚介類・乳製品・大豆製品です。レシピをぜひ参考にしてみてください。

食事で十分なたんぱく質を摂取するのが難しい場合は、プロテインを利用しましょう。スムーズな栄養補給ができるため、筋肉の合成を効率的にサポートしてくれます。

まずは、糖質を含むドリンクにプロテインを混ぜて、トレーニングの前後に積極的に取り入れてみましょう。

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
静岡県出身の日本のボディビルダー・トレーニング指導者。プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。サプリメントにも精通しており、サプリメント博士の異名を持つ。
2019年4月に開設したYouTubeチャンネル『山本義徳 筋トレ大学』は登録者数69万人を超える。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。

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