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背中の筋トレを一挙公開!部位別の効かせ方を山本義徳先生が解説!

背中の筋トレをついおろそかにしていませんか?大胸筋や腕の筋肉は自分でも目に入りやすいため鍛えたい部位として真っ先に挙げられますし、筋肉の動きもわかりやすく鍛えやすい部位でもあります。

しかし、自分では直接見ることのできない背中の筋肉を鍛えることが、カッコいい身体を作る上では必須であることを忘れてはいけません。身体全体のシルエットに強く影響するのは大胸筋や腕の筋肉よりも、なんと言っても背中の筋肉なのです。

背中を作る筋肉とは?

筋トレメニューを組み立てる上で、大きな筋肉として扱われることが多い背中の筋肉。しかし、ひとことで背中と言っても、さまざまな筋肉から成り立っています。

広背筋は、背中の筋肉の代表格と言っても良いでしょう。逆三角形の背中を作るために重要なので、広背筋のことを指して「背中の筋肉」と言う人もいるほどです。

そして広背筋以外にも、背中を作る上で鍛えるべき筋肉は他にもあります。例えば、僧帽筋の中部と下部を発達させることは、上背部の厚みを作る上でとても重要です。逆に僧帽筋の上部を発達させすぎてしまうと、なで肩体型に見える原因にもなってしまうので、鍛えわけが重要です。

背中の筋肉の起始・停止・作用

背中は実にさまざまな筋肉によって成り立っています。大きな身体を目指すには、全ての部位をバランス良くまんべんなく発達させることが必要です。

起始と停止
筋肉の両端をそれぞれ起始(きし)と停止(ていし)と呼びます。一般的には、筋肉が収縮するときに関節の動きが小さい方が起始、大きい方が停止とされています。ターゲットとなる筋肉がどこに付着しているか意識することで、より効果的なトレーニングを行うことができます。

広背筋

広背筋

広背筋は腕を身体の側面を通って下ろす動き(肩関節の内転)によって働きます。いわゆる背中の逆三角形やVシェイプと呼ばれる体型を作るために特に重要な筋肉です。

起始
第7腰椎〜第5腰椎
腸骨稜(ちょうこつりょう)後面・仙骨(せんこつ)後面
第10〜12肋骨

停止
上腕骨の小結節稜(しょうけっせつりょう)

作用
肩関節の内転
肩関節の伸展
肩関節の内旋

僧帽筋

僧帽筋

僧帽筋は背中に覆いかぶさるように付着している筋肉です。大きく分けて上部・中部・下部に分類されます。身体の一番表層にあるため形がわかりやすく、僧侶の帽子に形が似ていることが名前の由来だと言われています。

起始
上部:後頭骨(こうとうこつ)
中部:第7頚椎・第1〜3胸椎
下部:第4〜12胸椎

停止
上部:鎖骨の外側後面1/3
中部:肩峰内側縁(けんぽうないそくえん)と肩甲棘上縁(けんこうきょくじょうえん)
下部:肩甲棘(けんこうきょく)内端

作用
上部:肩甲骨の挙上
中部:肩甲骨の挙上・内転・上方回旋
下部:肩甲骨の下制・内転・上方回旋

大円筋

大円筋は脇の下から肩甲骨にかけて付着する筋肉です。広背筋の伸展・内転・内旋動作の協働筋として働きます。広背筋や僧帽筋と比べると小さな筋肉ではあるものの、発達させることで背中の形がさらに広がって見えるため意識しておきたい部位です。

起始
肩甲骨下角後面(けんこうこつかかくこうめん)

停止
上腕骨の小結節綾(しょうけっせつりょう)

機能
肩関節の伸展
肩関節の内旋
肩関節の内転

脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)

脊柱起立筋は背中の他の筋肉のように大きく伸び縮みすることはありませんが、背骨(腰椎・胸椎・頸椎)を安定させる重要な役割があります。

作用
脊柱の伸展と側屈

背中を鍛える種目一覧

背中の筋トレは、腕を引く動作に負荷をかけることによっておこなわれます。そのため、自重トレーニングで背中を鍛えることは難しく、ダンベルやバーベルなどの器具の利用が必須です。ジムにいけば背中専用のマシンがそろっている場合もあり、さらにトレーニングのバリエーションが広がります。

チンニング

チンニングとはいわゆる懸垂のことを指します。両手でバーをつかみぶら下がった状態から、背中の筋肉を使って身体を上へと引き上げます。動きの軌道を安定させるために、多くの筋肉が動員されるため効果的な種目です。

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ラットプルダウン

ラットプルダウンは、ジムに設置してあるラットプルダウン専用マシンやケーブルマシンを用いておこないます。

チンニングと身体の動きは似ていますが、ウエイトを調節したり動きの軌道を変えたりして効かせる場所をより細かくコントロールをすることができます。

関連記事:ラットプルダウンで逆三角形の背中を作る!山本義徳先生が解説

ベントオーバーローイング

ベントオーバーローイングは、その名の通り屈んだ姿勢(ベントオーバー)の状態で、バーベルを両手にもち、みぞおちに引きつけます。

関連記事:ベントオーバーローイングで大きな背中を作る!山本義徳先生が解説!

ダンベルローイング

ベントオーバーローイングを、ダンベルを用いて片手づつおこなうのがダンベルロウイングです。ベントオーバーロウイングの姿勢を保持するのが難しい場合や、より背中の筋肉をストレッチさせたい場合の選択肢としてオススメです。

関連記事:ダンベルローイングの正しい効かせ方を山本義徳先生が解説

デッドリフト

デッドリフトはウエイトトレーニングのBIG3にも数えられる種目です。背中以外の全身の筋肉を使うものの、背中の筋肉全体に高重量の負荷をかけることができるため、背中の日のトレーニングとして取り入れられる場合が多い種目です。

床またはパワーラックの上のバーベルを、背中の筋肉と股関節を伸展させる脚の筋肉を使って持ち上げます。

関連記事:デッドリフトで腰を痛めないように”背中”を鍛える!山本義徳先生がお伝えします!

上級者向け!背中の筋肉の鍛え分け方

基本的な背中のトレーニングの種目ができるようになったら、今度は細かい部位の鍛え分けを意識してみましょう。ここではダンベルロウイングとラットプルダウンを例に鍛えわけかたをご紹介します。

ラットプルダウンの鍛え分け方

ラットプルダウンは、椅子に座る位置や上半身の角度を変えることで、腕を引く動作の軌道を変えることができます。また、効果的なトレーニングをするためには、部位に応じた適切な重量設定をすることがポイントです。

広背筋に効かせるラットプルダウン

背中にトレーニングは肩甲骨を寄せておこなう、とよく言われます。しかし、肩甲骨を寄せる(肩甲骨の内転)ときに働く筋肉は僧帽筋や菱形筋です。広背筋を狙って効かせたい場合は、肩甲骨はあまり寄せずに肘を骨盤に向かって近づけるような意識で引くと、広背筋や大円筋を効果的に使うことができます。

僧帽筋に効かせるラットプルダウン

肩甲骨を寄せる意識をしながらラットプルダウンの動作をおこなうと、肩甲骨が内側に寄りながら、下に向かって回るように下がる動き(下方回旋)が生じます。下方回旋の動作には、僧帽筋やその深層に付着する菱形筋が使われます。

ダンベルロウイングの鍛え分け方

ダンベルロウイングをおこなう場合も、引くときの軌道を意識して変えることで、効かせる筋肉を変えることができます。

広背筋に効かせるダンベルロウイング

ダンベルを骨盤の方に向かって斜め後ろに引くことで、広背筋により効かせることができます。ダンベルを最後まで引いたところでも肘があまり曲がらないため、上腕二頭筋への刺激も少なくなります。

背中の広がりを重視したい場合にオススメのフォームです。また、引くときに手を内側にひねり、手の甲を前に向けることで、肩関節が内旋します。広背筋には内旋の作用があるため、より強く収縮させることができます。

僧帽筋に効かせるダンベルロウイング

ダンベルを地面に対して垂直に引くと、肩甲骨を背骨に向かって内側に寄せる動き(肩甲骨の内転)が発生します。このような引き方をすると、僧帽筋の中部・三角筋後部・上腕二頭筋などに効きやすくなります。

背中、特に上背部の厚みをつけたい人にオススメのフォームです。しかし、本当は広背筋を鍛えたいのに、このようなフォームでトレーニングをおこなっている人が多いのも事実です。広背筋を鍛えて背中の広がりをつけたい人は先に紹介した広背筋に効かせるダンベルロウイングを参考にしてください。

まとめ

背中の筋肉をバランスよく鍛えることで、上半身の広がりと厚みを手に入れることができます。男らしく逞ましい身体に必要な、身体の全体的なサイズを大きくする上で背中の筋肉を発達させることは必須です。

また、同じ種目をおこなう場合でも、フォームを意識して変えることで効かせる場所をコントロールすることができます。

・僧帽筋に効かせたい場合 肩甲骨の内転・下方回旋を意識して動作する

・広背筋に効かせたい場合 肩甲骨は無理して寄せずに、肩関節の伸展・内転を意識して動作する

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