フィットネス

筋トレのためのプロテインを山本義徳先生が解説

たんぱく質の重要性が広まり、身体づくりの一環としてプロテインを積極的に取り入れる人が増えています。この記事では、これからプロテインを飲み始める人のために「筋肉博士」の異名をもつ山本義徳先生がプロテインの飲み方や効果を解説します。

プロテインを正しく活用することで筋トレの効果をさらに感じることができるでしょう。 

プロテインとは?

本来、プロテインとは栄養素の名前です。三大栄養素のうちの一つである、たんぱく質を意味する言葉であり、肉や魚や大豆製品などに豊富に含まれています。

そして日本においてプロテインという単語は、たんぱく質を補給するためのサプリメントである「プロテインパウダー」という意味で使われる場合がほとんどです。 たんぱく質を豊富に含む乳清や大豆などの原料から、糖分や脂肪分などの余計な物を取り除き、たんぱく質だけを抽出したものがプロテインです。

筋トレをする人は普通の人よりも多くのたんぱく質が必要ですが、食事だけで十分なたんぱく質を補うのは、なかなか難しいものです。プロテインは水に溶かすだけで摂ることができ、手軽に不足分のたんぱく質を補うことができます。

また、プロテインは単にたんぱく質を補うことができるだけではありません。筋トレを行う人であれば、プロテインを摂ることそのものによるメリットも見逃せません。

プロテインでたんぱく質を摂るメリット

たんぱく質を食事からではなくプロテインから摂ると、

・吸収速度の速さ
・余分な栄養素が含まれない
という食品からは得られない2つのメリットがあります。

吸収速度が速く、筋トレのゴールデンタイムを逃さない

摂取したたんぱく質は、胃でアミノ酸まで分解されてから腸で吸収され、血液中のアミノ酸濃度を上昇させます。血液中のアミノ酸は、筋肉の材料やエネルギーとして利用されます。

プロテインから摂るたんぱく質は、食事のたんぱく質よりも吸収速度が速いことが特徴です。乳清から作られたホエイプロテインの場合は、摂取後60分ほどで一気に血液中のアミノ酸濃度を最高レベルにまで引き上げます。

一方で肉や魚などの食事をたんぱく質として摂取すると、消化・吸収に少なくとも2時間以上の時間がかかります。血液中のアミノ酸濃度は時間をかけてなだらかに上がっていきます。

トレーニングの刺激によって筋肉の合成が活発になっている時間は、たんぱく質摂取のゴールデンタイムと呼ばれたりします。 プロテインの性質を利用すれば、筋肉が栄養を欲するゴールデンタイムを狙ってピンポイントに筋肉にアミノ酸を送り届けることも可能になるのです。

プロテインには余分なカロリーが含まれない

たんぱく質が豊富な食品にはほとんど、脂質や糖質などの栄養素も一緒に含まれています。そのため、食事から多くのたんぱく質を摂取することがカロリーの摂りすぎにつながってしまう可能性があります。

代表的な高たんぱく食材の100gあたりの栄養価は以下の通りです。

肉類/うし/[輸入牛肉]/リブロース/赤肉、生(可食部100gあたり)
エネルギー179kcal
たんぱく質21.7g
脂質9.1g
炭水化物0.4g
引用元:食品成分データベース

豆類/だいず/[全粒・全粒製品]/全粒/国産/黄大豆/ゆで(可食部100gあたり)
エネルギー176kcal
たんぱく質14.8g
脂質9.8g
炭水化物8.4g
引用元:食品成分データベース

鶏卵 全卵 生(可食部100gあたり)
エネルギー151kcal
たんぱく質12.3g
脂質10.3g
炭水化物0.3g
引用元:食品成分データベース それに対してプロテインの場合は、たんぱく質以外の栄養がほとんど取り除かれていることが分かります。

VALX WPI perfectプレーン(100gあたり)
エネルギー376kcal
たんぱく質92g
脂質0.8g
炭水化物0.32g

なお、プロテインのパウダーを一気に100gも摂るようなことはまずないでしょう。1回に摂取する量は、20gから多くても50gほどが目安となります。

上記のプロテインの標準的な1食分の栄養価値は以下の数値になります。これならダイエットをしている人でも安心して摂取することができます。

VALX WPI perfectプレーン(25gあたり)
エネルギー94kcal
たんぱく質23g
脂質0.2g
炭水化物0.08g

プロテインの種類

プロテインには、原料によってさまざまな種類があります。中でも代表的なものが、ホエイプロテインとソイプロテイン、カゼインプロテインの3種類です。

ホエイプロテイン

プロテインの中で1番シェアが高く、身体作りにも適しているのがホエイプロテインです。プロテイン選びに迷ったら、まずはホエイプロテインを選ぶと良いでしょう。 ホエイプロテインは、牛乳からヨーグルトやチーズを作る時にできる乳清(ホエイ)から抽出されてできています。

筋肉に多く含まれるBCAAと呼ばれるアミノ酸が豊富で、吸収速度も速いため、日頃から運動習慣のあるアスリートや、筋肉を大きくしたい人にも適しています。

ホエイプロテインには、メーカーによって味付けがされていないプレーンをはじめ、チョコレート味やストロベリーなどのフルーツ系などさまざまな風味があります。美味しく飲み続けることの出来る好みの味を見つけることが、長く飲み続けるためのポイントです。

またホエイプロテインには主に2種類の製法があります。

WPC製法

WPCとはWhey Protein Concentrate(ホエイプロテインコンセントレート)の頭文字をとった用語です。

プロテインに含まれるたんぱく質の純度が80%前後のものが、WPCに分類されます。 現在スーパーなどの小売店に流通している一般的なプロテインはほとんどがWPC で、価格が比較的安いのが特徴です。

WPI製法

たんぱく質の純度をより高めたのが、Whey Protein Isorate(ホエイプロテインアイソレート)の頭文字をとった、WPIです。

プロテインのうち90%以上がたんぱく質から成るものがWPIに分類されます。牛乳に含まれる乳糖という成分が除去されているため、牛乳でお腹を下しやすい人はWPIを選ぶと良いでしょう。

ソイプロテイン

ホエイプロテインに次いでよく飲まれているのが、大豆を原料として作られたソイプロテインです。 ホエイと比べると吸収速度は遅いですが、BCAAも豊富に含まれているため十分に筋肉の発達が期待できます。

そしてソイプロテインには、ホエイプロテインには不足しているアルギニンというアミノ酸が多く含まれています。アルギニンは、筋肉に栄養を運ぶインスリンというホルモンの働きを高めるので、筋肥大を目的とする上では意識したい重要なアミノ酸です。

大豆プロテインには植物性たんぱく質特有の苦味と粉っぽさがあり、味が苦手は人もいることでしょう。

ソイプロテインにも主に2つの製法があります。

SPC製法

Soy Protein Concentrate(ソイプロテインコンセントレート)は、1番簡単なソイプロテインの製造方法で、たんぱく質の純度は70%ほどです。

SPI製法

Soy Protein Isolate(ソイプロテインアイソレート)は、SPCからさらに炭水化物を取り除いたもので、たんぱく質の純度は90%前後になります。一般的にソイプロテインとして発売されているものは、ほとんどがSPIとなります。

カゼインプロテイン

カゼインプロテインはホエイ同様、牛乳から製造されています。牛乳からホエイと脂肪を取り除いた固形の部分がカゼインで、牛乳のたんぱく質の80%はカゼインが占めています。 

プロテインの摂取方法

プロテインは、ただやみくもに飲むだけではなく、タイミングを考えて摂取することでより効果が期待できます。

トレーニングの60〜70分前

トレーニング後は運動で使われた筋肉の修復のために筋肉の合成が活発になるため、筋トレ後30分以内がたんぱく質摂取のゴールデンタイムであると言われていました。

しかし山本義徳先生は、トレーニング前にもさらにプロテインを追加するのがより効果的であると提唱しています。

トレーニングを始めるとすぐに、筋肉を合成せよというシグナルが発せられます。しかし、トレーニングには糖やアミノ酸がエネルギーとして必要になるため、筋肉の分解も同時に起きやすい状態です。

そこでトレーニングの60〜70分前にプロテインを飲み、血中アミノ酸濃度をあらかじめ高めておくことで、筋肉の分解が抑制されより効率的な合成が期待できます。

間食として

筋肉が分解されてしまうのを防ぐためには、トレーニング中に限らず普段から血中アミノ酸濃度が下がらないように気をつけておきたいものです。

そのためには、普段の食事からもしっかりとたんぱく質を摂ることが必要です。 しかし、1日3食の一般的な食生活だと、どうしても食事と食事の間の時間が空いてしまうため血中アミノ酸濃度が下がる時間ができてしまいます。

対策としては、1日の食事回数を増やすことですが、1日に何度も食事をするのはあまり現実的ではありません。 そこで食事と食事の間にプロテインを飲むことで、より確実に血中アミノ酸濃度を高い状態に保つことができます。

就寝前

栄養補給ができない時間が長く続く就寝中に筋肉にアミノ酸を送り続けるためにも、プロテインを活用することができます。

ソイプロテインはゆっくりと吸収されるので、血中アミノ酸濃度が高まる時間をゆるやかに長く持続させることが可能です。

また、脂質が長く胃に留まる性質を利用して、ホエイプロテインの吸収をゆっくりにすることもできます。ホエイプロテインに少量(5gほど)のオリーブオイルを混ぜて飲むことで、血中アミノ酸濃度の高い状態が5時間ほど持続します。

プロテインの摂取量

トレーニングを習慣的に行う人は、1日に体重×2g~2.8gのたんぱく質摂取が必要となります。しかし、普段からたんぱく質の摂取に気を遣った食事をしていても、1日に必要なたんぱく質摂取量には達しないことがほとんどでしょう。

合わせて読みたい記事:筋トレをする人の適切なたんぱく質摂取量は?山本義徳先生が解説

体重70kgの人が×2.5gのたんぱく質の摂取を目標とすると、1日の必要量は約180gとなります。

この人が1食に30gのたんぱく質を摂取できる食事を1日に3回食べると、食事から摂取できるたんぱく質は90gほどです。したがって残りの90gのたんぱく質はプロテインから摂取することになります。

その90gを、トレーニング前・間食・就寝前などのプロテインを摂るタイミングとして効果的な場面に分散して摂取していきます。

例えばトレーニング前に40g・トレーニング終了後しばらくしてから30g、就寝前に20gというようにトレーニング前後に多く割り振るようにして摂取すると効果的です。

そしてトレーニングをしないオフの日にもプロテインは必要です。なぜなら、筋肉の合成が高まる時間は、トレーニングを終えてから数日間に渡って続いているためです。オフの日は、トレーニングのある日に飲むトレーニング前後のプロテインを、間食のプロテインとして飲みましょう。

まとめ

筋トレをする人にとって、もはやプロテインは必需品であることがお分かりいただけたでしょうか?基本的に毎日飲むものであるため、ずっと飲み続けることのできる飽きのこないプロテインを選ぶと良いでしょう。

食事からの栄養素をしっかりと摂ったうえで、プロテインを上手に活用すれば効率的に理想の身体を目指すことができるでしょう。

監修者 情報

山本 義徳(やまもと よしのり) 静岡県出身の日本のボディビルダー、トレーニング指導者。

プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。 2019年4月に開設したYouTubeチャンネル『山本義徳【筋トレプログラム】』は登録者数20万人を超える。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)(下)

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