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ミスターオリンピア2019は凄かった!現地ラスベガスの様子をお届け

今年も、世界最高峰のボディビルの大会「Mr.Olympia (ミスターオリンピア)」が9月12日から14日までの間アメリカ・ネバダ州ラスベガスにて行われました。

この記事では、VALX編集部が観戦のために現地のラスベガスまで赴き、2019年ミスターオリンピアの様子をお伝えします。

Mr.Olympia(ミスターオリンピア)とは?

ミスターオリンピアとは、プロボディビルダーの世界最高峰とされるボディビルコンテストです。世界的なボディビル団体のIFBBの創始者でもあるジョー・ウイダーにより発足され、1965年から現在に至るまで毎年開催されています。

歴代優勝者にはアーノルド・シュワルツェネッガー、リー・ヘイニー、ドリアン・イエーツ、ロニー・コールマン、ジェイ・カトラー、フィル・ヒースなどのボディビルダーたちが名を連ねています。

発足当時の競技カテゴリーはボディビルのみでしたが、近年では審査基準がボディビルとは異なる、メンズフィジーク・クラシックフィジーク・フィギュア(女性)・ビキニ(女性)などのさまざまなカテゴリーが増設されて盛上がりを見せています。

ミスターオリンピア現地の楽しみ方

ミスターオリンピアを観戦しにはるばるラスベガスまで赴くのであれば、楽しみは大会の観戦だけではありません。ミスターオリンピアは毎年、週末の3日間に渡って開催されており、例えるのであればお祭りのようなイベントとなっています。

オリンピア公式ホテルのオーリンズ

The Orleans Hotel & Casino 通称オーリンズは、ミスターオリンピアが開催される際の公式ホテルとして数多くの観戦者はもちろん、出場選手も宿泊場所として利用しています。

ミスターオリンピアの決勝ラウンドは、オーリンズが敷地内に擁する巨大なアリーナで行われます。ここに宿泊すれば、交通機関を使わなくても宿泊場所から本戦を観に行くことができるため大変便利です。

ホテルの施設内にはカフェもちろん、さまざまなレストランがあります。1週間程度の滞在であれば、食事に飽きることはないでしょう。またロビーの先には巨大なカジノのエリアがあり、朝から深夜まで常に賑わいを見せているのがラスベガスという場所ならではです。

そして、このホテルを利用する上で嬉しい点は、オリンピアに出場する選手も宿泊しているという事です。ロビーを歩いたり、カフェを利用したり、そんなときに何気なく隣を見たら憧れの選手がいた、なんてことも運がよければ起きるかもしれません。

プレスカンファレンス

プレスカンファレンスでは、選手による記者会見がオリンピア決勝戦と同じ会場であるオーリンズアリーナでおこなわれます。毎年の試合前の恒例となっており、入場チケットを購入すれば関係者でなくても観覧することができます。

2019年のプレスカンファレンスは、これまで4度のミスターオリンピア優勝を成し遂げたボディビルダーのジェイ・カトラーが冒頭の挨拶を務めました。その後、選手たちが続々と入場して壇上に着き、質疑応答がおこなわれました。

前例のないほどの長い期間、トップレベルのボディビルダーであり続けているデキスター・ジャクソンや、SNSなどを通じてファンからの人気の高いクラシックフィジークのクリス・バムステッド、2018年度のメンズフィジークチャンピオンのブランドン・ヘンドリクソンなどの今年の注目選手たちが一堂に会しました。

また、女性選手がプレスカンファレンスに登壇するのは2019年が初めてのことなのだそうです。女性の競技カテゴリーは、ウィメンズフィジーク・フィギュア・ビキニ・フィットネスの4カテゴリーに増え、賞金の金額も引き上げられたという説明がありました。
そして、オリンピアの決勝ラウンドでは、2020年度より女子ボディビルのカテゴリーが復活するというアナウンスもされました。

プレスカンファレンス

ミート・ザ・オリンピアンズ

プレスカンファレンスと同日の夜、同じくオーリンズアリーナで行われるのがミートザオリンピアンズです。これは出場選手とファンが直接交流できる握手会のようなイベントです。

オリンピアに出場する選手はカテゴリーを問わず全員参加しており、お目当ての選手のところへ行けば一緒に写真撮影をしたり、サインを貰ったりすることができます。

人気の高い選手のブースともなれば、アリーナの観客席の端から端まで達するような行列ができることも珍しくはないようです。憧れの選手と一緒に撮影した写真が良い思い出になることは間違いないでしょう。

選手からサインをもらう

オリンピアエキスポ

オリンピア開催期間中にはOlympia EXPO(オリンピアエキスポ)という大きな展示会が同時開催されており、こちらも見逃すことはできません。

展示会の会場はオリンピアの決勝が行われるオーリンズアリーナから少し離れた場所にある、Las Vegas Convention Center(ラスベガスコンベンションセンター)です。移動には車を使うか、またはホテルから出ているバスを利用する必要があります。

サプリメントメーカーを中心としたさまざまなフィットネス企業がブースを構えており、日本ではなかなか見ることのできない規模の大きさを誇っています。

日本でも馴染みのある有名なプロテインのブランドから、初めてお目にかかるようなメーカーまでもが集まる展示会場の様子は壮観で、アメリカのフィットネス産業の規模の大きさを感じずにはいられません。

プロテインを始めとしたサプリメントのサンプル配布をおこなっているブースも多く、貰ったサンプルをいろいろと試すのも楽しみの一つと言えるでしょう。

ミスターオリンピア予選

ミスターオリンピアの決勝戦はオーリンズアリーナで行われるのに対し、予選はエキスポと同じ会場で開催されました。予選会場はエキスポの一番奥にあり、チケットの種類によってはとても近くでステージを見ることができます。

決勝戦は巨大なアリーナで行われるのに対して、予選のステージは小さく作りも簡素です。しかしそれだけ出場選手たちの素晴らしいコンディションを近くで見ることのできる貴重な機会でもあります。

ボディビル212クラス(212ポンド・つまり96kgまでの体重制限のあるボディビルのカテゴリ)には、日本人で唯一、世界トップレベルで活躍するボディビルダーとして有名な山岸秀匡選手の姿がありました。全身の筋肉の形をくっきりと見ることのできる素晴らしい仕上がりで、周りの観客からも驚きの声が上がるほどでした。

予選ステージ 山岸選手予選

ミスターオリンピア決勝

2019年のミスターオリンピアは、前年度チャンピオンのショーン・ローデンが欠場、それ以前に連覇を遂げていた王者フィル・ヒースも不在、優勝に近いと言われるビッグラミーことマムド・エルスビエイも今年度の大会には出場しないことから、誰が優勝するのか展開が読めないという声が多かったようです。

そんな中、オリンピア開催まであと僅かという瀬戸際の時期になってファンを賑わせたのは、イランからハディ・チョーパンの初出場が決定したというニュースでしょう。ミスターオリンピアへの出場資格は満たしており、そのバルクと迫力から誰もが実力を認める選手でしたが、残念ながらビザの関係で2018年大会への出場は叶いませんでした。アメリカへの入国が難しいという困難を乗り越えて、ハディ・チョーパンは2019年の大会でようやくステージに立つことになったのです。

(C)Wikipedia

前述の通り、ミスターオリンピアには現在ボディビル以外にも多くの競技カテゴリーが存在しています。2日目の夜には、フィットネス・ウィメンズフィジーク・フィギュアの決勝が行われ、2019年度のチャンピオン達が決定しました。最終日である3日目の夜には、ボディビル212クラス・クラシックフィジーク・メンズフィジーク・ビキニ・そしてメインイベントであるボディビルの決勝戦が行われます。

さて、ミスターオリンピアの決勝戦会場のオーリンズアリーナに足を踏み入れると、そこには巨大なステージが組み上がっており、テーマソングがすでに大音量で流れていました。

ビキニの決勝が行われたあと、いよいよボディビルの決勝に突入しました。会場にはそれまでとは比べ物にならないほど高い熱量の歓声が広がり、ボディビル本場のアメリカでの人気の高さが伺い知れました。

まずは、それぞれ一人ずつ選手が登場し、曲に合わせたポージングを単独で披露するラウンドがおこなわれました。そして、それぞれの個性を存分に活かしたポージングラウンドのあとは、選手たちが出そろって同じポージングをとり、身体の完成度を比べる比較審査に移ります。

比較審査が進むにつれて、同時に比較される選手の人数はどんどん減っていきます。こうして上位にランクインすると思われる、審査員からの評価の高い選手だけがステージに残り、さらにハイレベルな比較がおこなわれます。その頃には観客からの声援も一際高くなり、会場は熱狂に包まれました。

比較審査の最後までステージに残っていたのは、ウィリアム・ボナーク、ブランドン・カリー、ハディ・チョーパンでした。この3名がトップ3を争うことになるのが明らかになりました。何を重視して優劣をつけるのかによっては、誰が勝ってもおかしくは無い戦いです。

(C)YouTube

 

(C)YouTube

2019年 Mr.Olympia 大会結果

1位 ブランドン・カリー
2位 ウィリアム・ボナーク
3位 ハディ・チョーパン
4位 デキスター・ジャクソン
5位 ローリー・ウィンクラー

(C)YouTube

アフターパーティ

オリンピア決勝戦が終わり、新しいチャンピオンが決定しました。しかし、これですべてのイベントが終わりではありません。興奮冷めやらぬ中、オーリンズホテルのホールではアフターパーティがおこなわれます。

先ほどまでステージに立って声援を浴びていた選手が出席している場合が多く、ファンであれば見逃せないでしょう。デキスター・ジャクソンやローリー・ウィンクラーなどのトップ選手も普通に出席しており、家族や仲間達との食事を楽しんでいるようでした。(しかし、全選手が出席している訳では無いので注意が必要です)

終わりに

もちろん、日本にいてもSNSや生中継を見ることでオリンピアの結果を知ることはできます。しかし、実際に現地まで赴いて世界最高峰の戦いを直接目にすれば、より多くの情報を得る事ができるでしょう。

ただ見るだけではなく実際に「体験する」ことで、本当の意味でミスターオリンピアを見たことになるのではないでしょうか。ボディビルのファンであれば、ぜひ一度はミスターオリンピアという世界最高峰の戦いをその目で実際に確かめて欲しいと思います

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
静岡県出身の日本のボディビルダー・トレーニング指導者。プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。サプリメントにも精通しており、サプリメント博士の異名を持つ。
2019年4月に開設したYouTubeチャンネル『山本義徳 筋トレ大学』は登録者数69万人を超える。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。

【SNS】
X▶︎https://twitter.com/valx_official
Instagram▶︎https://www.instagram.com/valx_official/

執筆者情報

川又 祐海奈(かわまた ゆみな)

茨城県出身のボディビル競技者、パーソナルトレーナー

自身もボディビル競技者であり、同時にボディビル専門誌カメラマンとして多数のコンテスト取材活動をおこなっている。
2017年JBBF東京クラス別ボディビル大会 女子フィジーク158cm以下級準優勝 一般社団法人パーソナルトレーナー協会所属パーソナルトレーナー。

Twitterアカウント
https://twitter.com/MATAMATAMACHAN

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
静岡県出身の日本のボディビルダー・トレーニング指導者。プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。サプリメントにも精通しており、サプリメント博士の異名を持つ。
2019年4月に開設したYouTubeチャンネル『山本義徳 筋トレ大学』は登録者数69万人を超える。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

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