フィットネス

筋トレの分割法を山本義徳先生が解説

筋トレを習慣的に行なっている人にとって、分割法という言葉は馴染み深いのではないでしょうか?ジム仲間同士の会話で、「今日は何の日?」という質問に対して「肩と三頭」とか「脚の日」と答える会話が成り立つのも、筋トレは分割するものだという前提があるからでしょう。

トレーニングメニューを分割法で組み立てる際のポイント、そして実際にどう分割するかを知ることで自分の目的に合わせた最適なトレーニングメニューを組み立てることができます。

筋トレにおける分割法とは? 

分割法とは、1960年代くらいにボディビルダー達の間で行われはじめ、現在でも主流であるトレーニング方法です。身体を、胸・背中・脚・肩・腕などの部位に分けて、一回のトレーニングで身体の一部だけをトレーニングをし、何回かに分けて全身のトレーニングを行うことを分割法といいます。

分割法が一般的になる前のボディビルダー達は、一回のトレーニングで全身の部位を行っていました。この方法だと、一回のトレーニングの種目数がとても多くなり、どうしてもトレーニング時間が長くなってしまいます。

そのため、筋肉を合成を促進する働きのある男性ホルモンの分泌が下がってしまう、後半疲れやすくなるなどの問題が出てきてしまうため、一般的には分割法をおすすめします。

参考記事:長時間トレーニングはNG!?山本義徳氏が勧めるトレーニング時間とは

分割法には、2分割・3分割・4分割などの方法があります。トレーニングの目的、そして熟練度に応じて選ぶと良いでしょう。

分割法のポイント

どの分割法においても、特に発達させたい部位をトレーニングの最初に行うようにしましょう。例えば2分割で胸と背中を重点的に鍛えたい人であれば、胸と背中をそれぞれ1種目目に据えてメニューを作ると良いでしょう。

そして特に筋トレに慣れてきた人が気をつけたいポイントが、それぞれの筋肉が疲労のないフレッシュな状態で刺激することです。

例えば、胸のトレーニングであるベンチプレスでは、大胸筋だけでなく補助筋として上腕三頭筋も使用します。大胸筋はもちろんですが、上腕三頭筋が前回のトレーニングから回復していない状態でベンチプレスを行なってしまうと、バーを最後まで上げることができません。

筋トレに慣れていて高い強度でのトレーニングができる人ほど、胸のトレーニングのときに上腕三頭筋の疲労が残っていないか、背中のトレーニングのときに上腕二頭筋に疲労が残っていないか、そして脚のトレーニングのときに背中のトレーニングの疲労が腰に残っていないか、などを考慮する必要があります。

山本義徳先生がオススメする最適なトレーニング頻度

全身をいくつかの部位に分割し、それぞれの部位を週1回トレーニングするという分割方法は、90年代ごろに登場しました。そして現在でも多くの人が好んでこの方法でトレーニングを行なっています。

しかし、このやり方は決してダメな訳ではありませんが、デメリットが多いためあまりオススメできません。

トレーニングが終わってから、筋肉のタンパク質は36時間〜72時間くらい合成が高まっています。1部位のトレーニングが週1回だけだと、タンパク質の合成が盛んな時間が終わってしまい、次にまた同じ部位のトレーニングが巡って来るまでの間、タイムラグができてしまうのです。

タンパク質の合成の高まりが終わる時点で次のトレーニングを行うことが望ましく、したがって週1回トレーニングを行う、中6日の頻度では間隔が空きすぎということになってしまいます。

例えば、今まで4分割のトレーニングを週4回行なっていた人が、3分割のトレーニングを週4回に変えると、それぞれの部位を中4〜5日で刺激することができます。タンパク質の合成の観点から考えると、そのほうがトレーニングの効率が良くなるのです。

2分割のトレーニング方法

筋トレを始めたばかりの頃であれば、ほとんどの人が1回の筋トレでに全身を鍛えることでしょう。しかし、だんだんと慣れて行くにつれて強度も高くなり、全身行うのが大変になってきます。そんな人にまずおすすめしたいのが2分割で分ける方法です。

代表的な2分割の分割方法は次の通りです。

上半身・下半身

2分割であればまず、上半身と下半身で分ける方法が一般的です。「上半身の日」として胸・肩・腕を行い、「下半身の日」として、背中・脚に分けます。背中のトレーニングとしてデッドリフトを行うと良いでしょう。

プッシュ・プル

上半身と下半身の分割法とは別に、よく行われるのが「プッシュ(押す動作のトレーニング)」と「プル(引く動作のトレーニング)」に分ける分割です。「プッシュ」では、胸・肩・上腕三頭筋「プル」では、脚・背中・上腕二頭筋、を行います。

2分割のトレーニング頻度

2分割でトレーニングを行う場合、トレーニングを週に3回行うことで、各部位にちょうどよい頻度で刺激を与えることができます。

「Aの日」→休み→「Bの日」→休み→「Aの日」

プッシュ・プルで、Aの日がプッシュ・Bの日がプルだとすると、「プッシュ」を月曜日に行い、次の「プッシュ」の日が巡ってくるのは木曜日です。同一部位の筋トレの間に3日間の休息をはさみます。つまり、中3日の頻度で各部位を刺激することになります。

3分割のトレーニング方法

ある程度筋トレに慣れてきた中級者であれば、それぞれの部位に対する種目数を増やす人も多いでしょう。そのため2分割でもトレーニング量が多くなってしまうという場合は、3分割で行うことをオススメします。

代表的な3分割の分割方法は次の通りです。

上半身の大筋群・上半身の小筋群・脚

胸や背中などの大きな筋肉の「上半身の大筋群の日」肩や腕などの小さな筋肉を「上半身の小筋群の日」「脚の日」、という分割にするのが一般的です。

脚や背中は筋肉量が多く大変なので、脚の日は脚だけ、背中の日は背中だけという分割にするのも良いでしょう。

プッシュ・プル・脚

3分割のトレーニングでも、プッシュ・プルで分割する事ができます。胸と上腕三頭筋「プッシュ」背中と上腕二頭筋「プル」、そして脚の日に分割します。

3分割のトレーニング頻度

「Aの日」→「Bの日」→休み→「Cの日」→休み→「Aの日」
のようにすると、同一部位を4日間開けたちょうど良い頻度で刺激する事ができます。

トレーニング上級者向け!4分割のトレーニング方法

例えばボディビルダーのように、より本格的なトレーニングに取り組む人であればさらに細かく分割する場合もあります。

4分割にはさまざまな分割方法がありますが、「胸・上腕二頭筋」「脚」「肩・上腕三頭筋」「背中・腹筋」と分ける方法が、各部位がちょうどよく回復する山本義徳先生おすすめの分割方法です。

そして、「胸・上腕二頭筋」→「脚」→「肩・上腕三頭筋」→「背中・腹筋」の通りの順番で行うことも重要です。

なぜなら、胸のトレーニングの際には上腕三頭筋が、背中のトレーニングの際には上腕二頭筋が回復していることが望ましいものです。それぞれの部位の間隔が空くように上手く配置されていることがわかるかと思います。

さらに、胸のトレーニングの日には補助筋として使われた上腕三頭筋ではなく、上腕二頭筋のトレーニングを行います。そうすることで、大胸筋はもちろん上腕二頭筋もフレッシュな状態で刺激をすることができ、トレーニングの質を上げることができます。

現役のボディビルダーだったころの山本先生も、この4分割の方法を実際に取り入れており、大きな効果を得ることができたそうです。トレーニングのために、たくさん時間をかけても構わないという人は是非参考にしてみてください。

効率の良い頻度である、中5日のペースで回していくためには、トレーニングを週5回行う事になります。したがってこの方法は、狙った筋肉をピンポイントに刺激でき、他の部位には疲労を蓄積させずにトレーニングをすることのできる上級者向けだと言えるでしょう。

(参考書籍:ウエイトトレーニング 理論編 山本義徳著)

まとめ

・1番発達させたい部位をトレーニングの最初に持ってくる
・それぞれの部位が疲れていないフレッシュな状態で刺激できる分割を行う
・トレーニング頻度は週3~4回に抑える
・同一部位は、中3~5日の頻度で刺激すると効率が良くなる。

分割法を行う上では、ただ部位を分ければ良いだけではなく、他の部位との兼ね合いも考える必要があります。ポイントを押えた上で、自分の目的に合った分割方法でトレーニングを行う事で、より質の高いトレーニングを行う事ができます。

記事監修者 情報

山本 義徳(やまもと よしのり)

静岡県出身の日本のボディビルダー、トレーニング指導者。
プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。
2019年4月から投稿を始めたYouTubeチャンネル『山本義徳【筋トレプログラム】』を開設。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)(下)

【SNS】
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