フィットネス

筋トレと有酸素運動の組み合わせはNG?山本義徳先生が解説

普段は筋トレをメインに行なっている人が、並行して有酸素運動を取り入れるのは決して珍しいことではありません。ジョギングやサイクリングなどの有酸素運動が、ダイエットや心肺機能向上に役に立つことがあります。

しかし、有酸素運動のやり方を間違えてしまうと、筋トレに悪影響を及ぼしてしまうのはご存知でしたか?本記事では山本義徳先生が、有酸素運動との上手な付合いかたを解説します。

有酸素運動は「1日30分を週2〜3回」まで

有酸素運動を行う際は、1日30分を週2〜3回ほどに留めることを山本義徳先生は推奨しています。これ以上の有酸素運動を行うと、後述するデメリットにより、筋トレの効果が下がってしまう可能性があるためです。

また、必ずしも30分をまとめて行う必要もありません。
ひと昔前までは、有酸素運動は20分以上行わないと脂肪燃焼効果は無いと言われていました。しかし最近では研究が進み、そのことは否定されています。

1日30分の有酸素運動を、3回に分けて10分ずつおこなっても十分な効果を得ることができるのです。

参照:間欠的な有酸素運動における運動中および運動後の酸素摂取動態

例えば、通勤のために駅まで10分歩く人であれば、往復の通勤で20分間の徒歩と日中の活動を合わせれば、普通に有酸素運動を行なっているのと同じ効果が得られることになります。

有酸素運動のデメリット

筋トレやダイエットを行う上で、有酸素運動も同時に取り入れるのは必ずしもベストでは無いことが最近になって分かってきています。なぜなら、有酸素運動を行い過ぎてしまうと、カロリーをあまり消費しない体質になってしまうからです。

この体質の変化には、UCPという一種のたんぱく質の働きが関係しています。

UCPとはUnCoupling Protein(アンカップリングプロテイン)の頭文字をとった言葉で、脱共益タンパク質と呼ばれることもあります。

UCPは身体の熱産生、つまり体温を上げる役割をしています。細胞内でエネルギー(ATP)が生み出されるときには、一部の材料がエネルギー(ATP)にならずに熱となって逃げていきます。その熱を発生させる役割をしているのがUCPです。

赤ちゃんの体温が高いのは、UCPがとても多いからです。しかし歳をとるとUCPが減り、体温が下がっていきます。そして、長時間の有酸素運動を行うマラソン選手もUCPが少ないことが分かっています。

有酸素運動を行うとき、身体はエネルギーを有効に使わなくてはなりません。そのためにエネルギー(ATP)を作るときの無駄を無くそうとするため、UCPは身体にとって不要と判断され減っていくのです。

UCPが減ると体温が低下し、日常生活でのカロリー消費もどんどん減っていってしまいます。

つまり、有酸素運動のやりすぎは代謝を落としてしまうということです。

関連記事:HIITの脂肪燃焼効果は有酸素運動よりもすごい?山本義徳先生が解説!

筋トレと有酸素運動を組み合わせるなら?

また、有酸素運動をやり過ぎると、速筋線維の遅筋化が発生します。筋トレを行う上では、速筋線維の方が大きな力を発揮でき、さらに筋肥大もしやすいのです。

さらに、有酸素運動はどうしても疲労が溜まりやすいという問題もあります。疲労により男性ホルモンの分泌が低下したり、コルチゾールというホルモンが増えることで筋肉が分解されやすくなってしまいます。

つまり、筋トレに過度な有酸素運動を組み合わせると、筋トレの効果が落ちてしまうということです。

しかし、どうしても有酸素運動を行う必要のある人は、山本先生が推奨する「1回30分を週2〜3回まで」を守りながら、筋トレよりも先に有酸素運動を行なってください。

2016年に行われた、有酸素運動が筋力トレーニングに与える影響を調査した研究では、
・「先に筋トレ、後に有酸素運動」を行なったグループ
・「先に有酸素運動、後に筋トレ」を行なったグループ
の2つのグループで効果が比較されました。

その結果、「先に有酸素運動、後に筋トレ」を行なったグループの方が、タンパク合成が高まり、筋肥大を強く引き起こすということ報告がされています。

参考:Endurance Exercise Enhances the Effect of Strength Training on Muscle Fiber Size and Protein Expression of Akt and mTOR

有酸素運動よりもHIITを

これまでに説明した通り、有酸素運動は筋肉大にとってはデメリットが多いため、特に筋トレを行なっている人には、あまりオススメできるものではありません。

そこで山本先生が有酸素運動の代わりに推奨するのが、HIITと呼ばれる無酸素運動と有酸素運動を組み合わせたトレーニングです。有酸素運動のデメリットもなく、高い脂肪燃焼効果を期待することができます。

山本先生オススメのHIITの行いかた

1.ダッシュやバーピー(腕立て伏せとジャンプを繰り返す運動)などの全身運動を全力で20秒間行う

2.20秒間緩やかな運動を行いながら休憩する

3.これを6〜10セット繰り返す

関連記事:HIITの脂肪燃焼効果は有酸素運動よりもすごい?山本義徳先生が解説!

まとめ

有酸素運動を行う場合は、「1日30分を週2〜3回」までが目安。

有酸素運動の行い過ぎは、
・UCPの減少による代謝の低下
・コルチゾールの分泌による筋肉の分解
・速筋繊維の遅筋化

などのデメリットがあるため、「1日30分を週2〜3回」までが目安に適度に行うように配慮しましょう。

HIITであれば有酸素運動よりも効率的に、脂肪燃焼効果を期待することができます。

記事監修者 情報

山本 義徳(やまもと よしのり)

静岡県出身の日本のボディビルダー、トレーニング指導者。
プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。
2019年4月から投稿を始めたYouTubeチャンネル『山本義徳【筋トレプログラム】』を開設。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)(下)

【SNS】
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