フィットネス

バルクアップのための食事を山本義徳先生が解説!

ボディメイクを目的としてトレーニングをしている人にとって、バルクアップとは永遠のテーマなのではないでしょうか。ダイエットと比較すると難易度も高く、目に見える成果もゆっくりであることは間違いないでしょう。

だからこそ、確実にバルクアップを成功させるために押さえたいポイントを山本義徳先生が解説します。

バルクアップとは?

バルクアップとは、筋肉(筋肉量)を増やすことです。単に体重を増やすだけではなく、筋肉を発達させることで身体を大きくすることを意味します。

コンテストに出場するボディビルダーであれば、大会がないオフシーズンにバルクアップをして、コンテスト当日に向けて減量をするというサイクルを年単位で繰り返して身体を作っていくのが一般的です。

筋肉はエネルギー消費が激しいため、必要以上の筋肉量は身体にとって余分なものであると判断されてしまいます。私たちの身体は、筋肉の発達を抑制する遺伝子によって、エネルギーを温存するように作られているのです。

だからこそ、継続的なトレーニングによって筋肉を高い負荷に適応させることがバルクアップにおいて大切です。

そしてトレーニングをしていても、食事管理ができていなければバルクアップは成功しません。筋肉が合成される条件は、食事管理によって満たすことができるからです。

バルクアップの条件

バルクアップをするためには、まず大前提として消費されるカロリーよりも多くのカロリーを摂取する必要があります。

消費カロリー<摂取カロリーの状態にすること

身体が消費するエネルギー以上のカロリーを摂取することで、筋肉や肝臓にエネルギーが溜まります。その状態を維持することでようやく、身体は筋肉を大きくするためにエネルギーを使い始めます。

しかし、むやみに多くのカロリーを摂っているだけでは脂肪も増え、太っただけになってしまいます。ただ闇雲に体重を増やすのではなく、筋肉量を確実に増やしていきたいのであれば、1日の摂取カロリーとして、

1日の消費カロリー+500kcal が目安です。

ジムなどに設置されている体組成計で、自身の基礎代謝を知ることができます。

そして、1日の消費カロリーは、基礎代謝×生活活動強度指数 で求めることができます。あまり動かない生活をしている人は基礎代謝×1.3、とてもハードなトレーニングをしている人は基礎代謝×1.9

まずはこのように、自分が1日にどのくらいのカロリーを消費しているのか導き出してみましょう。

生活活動強度指数とは?
日常生活において、どのくらいの負荷運動を行なっているか示す数値。活動強度により、それぞれ指数が、1.3(低い)、1.5(やや低い)、1.7(適度)、1.9(高い)の4つに当てはめられます。

第6次改定日本人の栄養所要量 厚生労働省

バルクアップのための食事

バルクアップのために必要になるのは、カロリーを多く摂ること、消化のよい炭水化物と適度な脂質を摂ること。そしてタンパク質が大切であることは言うまでもありません。

バルクアップに必要な栄養素

バルクアップにはどの栄養素が重要なのでしょうか?5大栄養素はどれも重要ですが、特にその中でも、3大栄養素に当たる炭水化物・脂質・タンパク質はそれぞれ、バルクアップには欠かすことのできない役割を果たします。

PFCバランス(3大栄養素のバランス)

PFCとは、3大栄養素に当たるタンパク質(Protein)脂質(Fat)炭水化物(Carbohydrate)の頭文字をとった言葉です。

そして、PFCバランスとは摂取カロリーのうち3大栄養素がそれぞれどれくらいの割合を占めるかの比率を指します。

炭水化物(糖質)として全体の4~5割
脂質として、全体の2~3割
タンパク質 全体の約3割

がバルクアップのPFCバランスの目安です。

炭水化物

バルクアップを目指すにあたっては、炭水化物をしっかり摂ることが重要です。炭水化物を摂ることで、アミノ酸を筋肉に運ぶ役割をするインスリンが放出されます。

その後、摂取した炭水化物はグリコーゲンとなり筋肉や肝臓に貯蔵されます。そしてトレーニングをするとグリコーゲンはエネルギー源として消費されます。消費されたグリコーゲンを素早く回復させるためにも炭水化物が必要です。

トレーニング中に飲むドリンクに、炭水化物が粉状になったマルトデキストリンを混ぜたり、トレーニング後には高炭水化物食を食べるなどして、肝臓からグリコーゲンを枯渇させないようにします。

タンパク質

そして言うまでもなく大切なのは、タンパク質です。摂取したタンパク質は分解され、アミノ酸となってから吸収されます。身体の材料となるアミノ酸がないと、筋肉を作ることができません。

脂質

そして実は、バルクアップにおいては脂質も大切です。脂質は身体にさまざまな働きをもたらすエイコサノイドの材料になったり、身体を動かすエネルギーにもなります。

そして脂質は、ホルモンの材料でもあります。特に、男性ホルモンには筋肉の成長を促す働きがあるため、十分に脂肪も摂取する必要があります。

デカくなりたいのならバランスより量!

そしてバルクアップの場合、トータルで摂取するカロリーが消費カロリーよりも多くなります。細かい栄養バランスに気をつかうよりは、カロリーの絶対量が重要です。

カロリーを確保することを最重要として考え、バランスに気をつかうのはその次で良いでしょう。

トレーニングをハードに行うため、グリコーゲンが失われやすい人は糖質を多く摂り、逆にホルモンが上手く分泌されない人であれば材料となる脂質を多く摂るようにしてください。

バルクアップに欠かせない食材 BEST3

バルクアップに適した栄養が摂れる食材とはどのようなものでしょうか。消化に良くお腹に溜まらない炭水化物と豊富なタンパク質が摂ることができる、山本義徳先生がイチオシがこちらです。

お餅

バルクアップのためにたくさん食事を摂るということは、消化しやすいものであることが望ましいです。

米だとあまりたくさん食べられない人でも、お餅であれば消化がよくカサも少ないため、たくさんの炭水化物を摂ることができます。

また、もち米はアミロペクチンが多く構造が複雑なため、消化酵素が働きやすいという特徴があります。消化酵素が働きやすいため吸収が速くなり、その点からもバルクアップに適しています。

パスタ

実は、パスタがバルクアップには効果的です。

パスタは米に比べると、タンパク質が多く含まれています。茶碗1杯のご飯にはタンパク質が約4gほど含まれるのに対し、乾麺100g中に13gものタンパク質が含まれます。また小麦由来のタンパク質であるグルテンには、筋肉の分解を抑える働きのある、グルタミンが豊富です。

そしてタンパク質の多さにこだわるのであれば、デュラム小麦を使用したパスタを選ぶと良いでしょう。早茹でパスタや生パスタは普通の小麦が原料なので、タンパク質の量で比較すると劣ります。

パスタを食べる場合は味付けに注意が必要です。カルボナーラのような油の多いパスタだと、消化に時間がかかりお腹に溜まってしまいます。スープパスタのようなあっさりしたものを摂るようにすると良いでしょう。

牛肉

良質なタンパク質を摂る上では、肉類を外すことはできません。鶏肉なども良いのですが、オレイン酸という脂質を摂ることができる牛肉がオススメです。

そして牛肉には、同じ肉の中でもクレアチンが多く含まれます。クレアチンは、筋力アップ・筋肥大に良い効果を与えてくれます。

 また、牛肉には鉄分が多く含まれるのが特徴です。鉄は体の中のエネルギー生産にも非常に重要であり、血液を増やしてくれる作用もあります。

良質なタンパク質と脂肪が摂れるため牛肉を積極的に食べるよう心がけると、バルクアップに繋がるでしょう。

バルクアップの際には避けたい食材 WORST3

逆に、摂りすぎるとバルクアップの妨げになってしまう食材もあります。

乳製品

日本人を含めたアジア人には、乳糖不耐性体質の人が多いのです。牛乳に含まれる炭水化物のうちの一つである、乳糖を分解することができずに下痢を起こしてしまうことが多いです。

アレルギーを引き起こすこともあり、健康にも悪くバルクアップの妨げにもなってしまいます。

ホエイも乳製品ではありますが、タンパク質だけを抽出しているので、乳糖不耐性体質の人でも問題なく飲める場合もあります。

揚げ物

揚げ物には多くのカロリーが含まれているので、一見するとバルクアップには良さそうです。しかし、油が多く消化が悪いためにすぐにお腹にたまり、必要な量の食事が摂れなくなってしまいます。

そして揚げ物の油は、何回も使われ酸化してしまっている可能性が高いため、牛肉に含まれる脂質とは違い、揚げ物などの酸化した油は体内で悪い作用を及ぼしてしまいます。

バルクアップの際には揚げ物は避けて、消化の良い食事を意識すると良いでしょう。

野菜

野菜は9割以上が水分です。野菜でお腹がいっぱいになってしまうと、必要な量の食事が摂れなくなってしまいます。

昔と比べると、野菜の栄養価は大幅に減少しています。ビタミンAやビタミンCは1/4から1/10ほどになっているものもあります。ビタミン・ミネラルをしっかりと摂りたいのであれば、サプリメントを活用してみましょう。

バルクアップのためのサプリメント

食品やサプリメントに含まれる栄養は、一定量を摂ることで初めて効果が現れるものです。必要量を食事で満たすことが難しい栄養素は、積極的にサプリメントを頼るのが得策です。

バルクアップをする上でプロテインは必須です。プロテインを摂っている前提で、山本先生がオススメするバルクアップの役に立つサプリメントには以下のようなものがあります。

クレアチン

瞬発的なパワーを上げるためのサプリメントとして有名なクレアチン。筋力アップにはもちろん、実はバルクアップにも効果的です。

クレアチンを摂ることで、筋細胞内のクレアチンの量やナトリウムや水分量が増え、筋細胞が膨れ上がります。それが筋肥大・筋発達の引き金となります。

摂取方法

1gを毎食後に3回、1日合計3gを28日以上継続して摂取します。クレアチンは吸収されにくいサプリメントなので、一気に摂るのではなく、1gづつこまめに分けて摂ります。

そして、インスリンが出ている状態でクレアチンを摂取することが吸収率アップに繋がるため、食後のタイミングで摂ることも重要なポイントです。

毎食後に、常温の水にクレアチン1gを溶かして飲むことで吸収がとても良くなります。およそ28日間飲み続けると、体内のクレアチンレベルはMAXになります。MAXになった後は、クレアチンの量がすこし少なくても維持することが可能です。

ハードにトレーニングしている人やトップアスリートは、クレアチンの消費量も多いので1日5gが目安です。

ビタミンD

ビタミンDにはさまざまな作用があります。その中でも、テストステロン(男性ホルモンの一種で、筋肉の増大に役立つホルモン)を増やす作用、さらには速筋線維を増やす作用がバルクアップには役に立ちます。

摂取方法

1日に2000IU(50μg)を摂取することで、副作用なくバルクアップに十分な効果が見込めると考えられます。また、ビタミンDは脂に溶ける性質のある脂溶性ビタミンです。油の含まれた食事の時に飲むと吸収が良くなります。

EAA

EAAとは、人間の体内では合成できない必須アミノ酸のことを指すサプリメントです。筋肉のタンパク質を合成するシグナルを発するだけではなく、筋肉の材料ともなるとても大切なものです。

摂取方法

ワークアウトドリンクに15gのEAAを混ぜ、トレーニング中に少しずつ飲みます。

トレーニングの1時間前にホエイプロテインを飲んでから、トレーニング中にEAAを組み合わせて飲むことで、血中アミノ酸濃度が安定して高まり、さらに効果的にバルクアップができるようになります。

バルクアップのためのトレーニング

ダイエットをしたい人の場合は、高頻度のトレーニングを行い常に代謝を高く保つことが効果的であることは周知の事実でしょう。

しかしバルクアップをしたい場合は、高頻度のトレーニングが逆効果になってしまう可能性があります。

バルクアップのときに重要なのは、いかに身体を回復させるか?ということです。トレーニング頻度としては、少なめの方が良いのです。

筋肉が発達するのは、トレーニングをしているときではなく、休んでいるときです。バルクアップを狙うのであれば、週2日か3日は完全休養の日を作りましょう。

山本先生が勧める2分割あるいは3分割のトレーニング方法であれば、バルクアップに適したペースの休養を取りながらトレーニングを行うことができます。バルクアップ中の人はぜひ参考にしてみてください。
関連記事:筋トレの分割法を山本義徳先生が解説

まとめ

バルクアップに取り組むに当たっては、以下の点を意識してみてください。

・消費カロリー+500kcalを摂取すること
・炭水化物50% タンパク質30% 脂質20%の割合を目安に摂ること
・炭水化物は消化の良いものを選ぶこと
・サプリメントを積極的に活用すること
・トレーニングの休息は多めにとること

記事監修者 情報

山本 義徳(やまもと よしのり)

静岡県出身の日本のボディビルダー、トレーニング指導者。
プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。
2019年4月から投稿を始めたYouTubeチャンネル『山本義徳【筋トレプログラム】』を開設。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)(下)

【SNS】
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