トレーニング

大胸筋の筋肉痛はなぜ起こる?回復にかかる時間と対処法を山本義徳が解説

大胸筋は上半身の中でも大きい筋肉で、鍛えることでボディラインにメリハリが出るなど、ほかの部位より成果が出やすい特徴があります。

しかし、結果を早く出したい思いからトレーニングによる負荷を大きくして、激しい筋肉痛に苦しんでいる人もいるでしょう。

この記事では、大胸筋が筋肉痛になるしくみ、回復にかかるまでの時間・対処法を解説します。
筋肉痛を和らげるのにオススメのサプリメントも一緒に紹介するので、ぜひトレーニングに取入れてみてください。

筋肉痛が起こるしくみ

筋肉は、筋肉の線維(筋繊維)が束となって構成されています。筋肉を包んでいる膜を、筋膜と呼びます。

一般的に、筋肉痛は筋肉に大きな負荷がかかったあと、数時間後から翌日・翌々日にかけて起こる「遅発性筋痛」のことを指します。
普段あまり使わない筋肉を使ったときに筋肉痛は起こりやすいですが、そのメカニズムは医学的に完全には解明されていません。

以前は、運動したときに発生する疲労物質(乳酸)が筋肉痛の原因だとされていました。しかし現在では、運動により傷ついた筋繊維を修復するために起こる痛みだと考えられています。

筋繊維そのものが痛みを感じるのではなく、炎症が広がり刺激物質が筋膜に届いたあとに痛みを感じるため、時間差があるといわれています。

筋肉痛の起こるしくみは、以下のとおりです。

1. 普段使わない筋肉を使用したり、激しく筋肉を使いすぎたりすることで筋繊維や周りの結合線維が損傷する

2. 傷ついた筋繊維を修復するために白血球が集まり、炎症が起こる

3. ブラジキニン・ヒスタミン・セロトニン・プロスタグランジンなどの刺激物質が生産され、筋膜を刺激することで痛みが生じる

トレーニングには、筋肉痛になりやすいものとなりにくいものがあり、次にそれぞれの特徴を解説します。

筋肉痛になりやすいトレーニング

筋肉が伸びながら力を発揮することを「伸張性筋収縮(エキセントリック・コントラクション)」といいます。

おもに階段を下りる、重い荷物を下ろす、坂道を下る、走行中の急な方向転換などの動作のことで、おこなった翌日には筋肉痛になりやすいのが特徴です。

筋肉は伸ばすときのほうが筋繊維への負荷が大きくなり、損傷が起こりやすいのが原因だといわれています。

ベンチプレスの場合は、普通に上げるだけではなく、バーを下ろすときにゆっくりと4~5秒かけて下ろすように意識することで、より筋肉痛になりやすくなります。

トレーニング後にはしっかりとストレッチをおこなうことも大切です。

筋肉痛になりにくいトレーニング

一方、筋肉が縮みながら力を発揮することを「短縮性筋収縮(コンセントリック・コントラクション)」といいます。

おもに階段を上がる、重い物を持ち上げるなどの動作です。

肘を曲げてダンベルなどを持ち上げるアームカールのようなトレーニングでは、上腕二頭筋が縮みながら力を発揮します。
このような動きは、筋肉痛にはなりにくいとされています。

筋肉痛とトレーニング効果の関係は、以下の記事でも詳しく解説します。

筋肉痛がなくても大丈夫!?筋肉の発達には関係ないのか、徹底解説!筋肉痛が来ないと追い込めていないようで不安、、、 という方は多いかもしれません。 筋肉痛とトレーニングの効果には関係が内容ですので、ぜひトレーニングの参考にしてみてください。...

大胸筋の筋肉痛が回復する時間はおよそ48時間

効率良く筋肉を鍛えるためには、きちんと栄養と休息を取ることが重要です。

筋肉痛が回復するまでにかかる時間は、部位ごとにそれぞれ異なってきます。代表的な筋肉の回復時間は、以下のとおりです。

部位 回復までの時間
大胸筋 48時間
広背筋 72時間
僧帽筋 48時間
上腕二頭筋 48時間
三角筋 48時間
腹筋 24時間
大殿筋 48時間
大腿四頭筋 72時間
ハムストリングス 72時間

大胸筋の筋肉痛が回復までにかかる時間は、48時間です。

一方、腹筋は24時間で回復するので、毎日トレーニングをおこなっても問題ないことがわかります。

広背筋・大腿四頭筋・ハムストリングスなど大きな筋肉は、回復までに72時間必要とするため、3日間は休息を取ることが必要です。

もし、筋肉痛の回復が終わらないうちにトレーニングを再開すると、筋繊維はさらに損傷します。それを繰り返すことで、筋肉は縮小します。
痛みが残っている間は、大きな負荷をかけないように注意しましょう。

以上のことを理解すると、より効率良くトレーニングができるようになります。

筋肉痛がわかるトレーニングの改善方法は、以下の記事でも解説しています。

今回はトレーニングをしてもなかなか伸びない時
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大胸筋が筋肉痛になったときの対処法

筋肉痛は時間が経てば回復しますが、大胸筋は日常生活を送るうえでも欠かせない筋肉なので、できれば痛みを早くなくしたいものです。

トレーニングで傷ついた筋組織の回復を促し、筋肉痛を早く治すためにセルフケアでできる簡単な方法がいくつかあります。

以下でおもな対処法を紹介するので筋肉痛に苦しんでいる人は参考にしてください。

もし、1週間以上経っても痛みが取れない場合や、激しい痛みがある場合は筋肉痛以外の病気・ケガの可能性があるため、病院での受診をオススメします。

ストレッチする

筋トレ後のほてった身体を落ち着かせるためのクールダウンには、ストレッチがオススメです。
お風呂に入ったあとなどに、筋肉をしっかり伸ばせる静的ストレッチをおこないましょう。

筋トレ前のストレッチには筋肉の緊張状態を和らげ、筋繊維のダメージを軽減する効果があるラジオ体操のような動的ストレッチがオススメです。
身体をしっかり温めてほぐしてから、筋トレをおこなうのが効果的です。

ぬるい湯船につかる

38度くらいのぬるめのお風呂にゆったりとつかると身体が温まり、血液のめぐりも良くなります。
筋トレによる疲労物質が血液にのって流れ出ることで、筋肉の回復も早まります。
リラックスしながらお風呂につかると、より効果的です。

もし、筋トレ直後などで炎症がひどい場合には、温めずに冷やし、ある程度炎症がおさまってから温めるようにしましょう。

十分な睡眠を取る

身体の疲労・筋肉痛の緩和には、良質な睡眠が必要です。

睡眠中は成長ホルモンが分泌され、食事などで摂取した栄養を材料として筋肉の修復・成長を促し、筋肉痛の緩和にも効果が期待できます。

成長ホルモンは睡眠が深いときに分泌されるので、6~8時間と睡眠時間を重視するより睡眠の質を高めることが重要です。

たんぱく質を補給する

たんぱく質は、トレーニングで傷ついた筋肉を補修し、成長を促すために必須な栄養素です。しっかりと摂取することで、筋肉痛の回復も早くなります。

1人あたり1日に体重×2~3gの量を摂取する必要があり、数回に分割して摂取すれば血中のアミノ酸濃度の高さを維持できます。

食事だけでたんぱく質を摂取するのが難しい人は、低カロリーのプロテインもオススメです。

特に、筋トレ後30分以内にプロテインを摂取すると筋肉の分解を抑制し、筋肉の合成を促す効果が期待できます。

アミノ酸を補給する

人間の身体は、トレーニングにより消費したエネルギーをたんぱく質に分解して補給する際、多くのアミノ酸を失います。

トレーニング中やトレーニングが終わったあと、アミノ酸を摂取して素早く補充すれば、筋肉の修復・コンディションの調整・筋肉痛も最小限に抑えてくれます。

アミノ酸は激しい運動やトレーニングで受けた筋肉の損傷を修復し、コンディションを整えるに効果的です。

筋肉痛と筋肥大の関係は、以下の記事でも詳しく解説しています。

なぜEAAは筋肉痛の緩和に効果があるのか?メカニズムを解説バルクアップというのは、大ざっぱに言えばトレーニングをして筋細胞にストレスを与える(=筋組織を傷つけて破壊する)事です。傷ついた筋肉は修...

大胸筋が筋肉痛のときはほかの部位を鍛えて筋トレ効率をアップ!

筋トレ初心者の人は、1回のトレーニングで全身を鍛える人がほとんどでしょう。
しかし、筋肉を効率良く鍛えるには、分割法がオススメです。

分割法は、胸・背中・脚・肩・腕などの部位を何回かに分割してトレーニングをおこないます。1960年代ぐらいから始まり、現在でも主流となっているトレーニング方法です。

トレーニングには十分な負荷・休息が必要不可欠です。筋肉痛がまだ残っているときに、トレーニングをおこなっても筋肥大は期待できません。

上半身・下半身で分けておこなう2分割や、上半身の大きな筋肉・上半身の小さな筋肉・脚に分けておこなう3分割など、トレーニング頻度を週3~4回に抑えることで効率良く鍛えられます。

筋トレの分割法は、以下の記事でも詳しく解説します。

筋トレ分割法|部位の組み合わせとメニューを山本義徳が伝授!トレーニングをしている方なら分割法、聞いたことありますよね?分割法と言っても種類は沢山。本記事では山本義徳先生オススメの分割法をお教えいたします。...

大胸筋の筋肉痛対策にオススメのサプリメント

筋肉痛がなかなか治らない人には、手軽に摂取できる山本義徳先生プロデュースのサプリメントがオススメです。

『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』

『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』は、筋肉量を増やすために欠かせないBCAA(分岐鎖アミノ酸)を含む9種類の必須アミノ酸をバランス良く配合したサプリメントです。

溶けやすく飲みやすいと人気で、1ヵ月使った人のうち97%が満足と答えています。

4種類のフレーバーはどれも癖がなく、シトラス風味・コーラ風味・パイナップル風味・青りんご風味とお好みに合わせて選択でき、ワークアウトドリンクに最適です。

ビタミンE

血流の流れを良くするビタミンEは、筋肉痛の緩和にも効果的です。
『VALX マルチビタミン 脂溶性ビタミン』は、山本義徳先生の完全監修のもと、ビタミンの吸収率にこだわって開発されたサプリメントです。水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンを分けることで、より効率良くビタミンを摂取できます。ビタミンEは268mg配合されています。

ソフトカプセルタイプで飲みやすく、製造方法・原料にもこだわってつくられています。

まとめ

筋肉痛は、運動によって傷ついた筋繊維が修復するときに起こる痛みだといわれています。

階段を下りる、重い荷物を下ろすなど、筋肉が伸びることで力を発揮する運動のあとに起こりやすいのが特徴です。

部位によって筋肉痛が回復する時間は異なり、十分な栄養と休息を取ることで筋トレの効果を高めることができます。

筋肉の損傷を修復し、筋肉痛を軽減できるアミノ酸の摂取には、手軽なサプリメントがオススメです。

公式ライン

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
静岡県出身の日本のボディビルダー・トレーニング指導者。プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。サプリメントにも精通しており、サプリメント博士の異名を持つ。
2019年4月に開設したYouTubeチャンネル『山本義徳 筋トレ大学』は登録者数69万人を超える。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。

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