栄養・食

トレーニング後の食事で筋トレ効果は変わる!効率的に筋肉をつけるには【山本義徳監修】

筋肉を大きくしたり身体を引き締めたりするには、食事にも気を配りましょう。トレーニング後のバランスの良い食事は、筋トレの効果を変えるほど重要です。

今回の記事では、トレーニング後に食事を摂るメリット・摂るべき栄養素・メニュー・手軽に摂れる食品・プロテインについて紹介します。

トレーニング後に食事を摂るメリット

トレーニング後に食事を摂ると、トレーニングの効果を発揮させ、基礎代謝を上げて筋肉がつくられやすくなるなどのメリットが得られます。

トレーニングをして筋肉に大きな負荷をかけたあとは、身体に貯蔵されていたエネルギーが消費されている状態です。筋肉細胞が損傷し、血糖値・血中アミノ酸濃度も低下するなど、身体の内部には変化が起きています。マグネシウム・カリウム・カルシウム・ナトリウムなどの筋肉を動かすために必要な電解質も、汗とともに体外に流れ出てしまうため、トレーニング後は栄養を補給しなければなりません。

栄養を補給しないと、身体は疲弊したまま、疲れが残りやすくなってしまいます。
トレーニング後に食事を摂ることで、筋肉の分解を止め、身体の疲れを早く癒すことが可能です。食事に含まれる栄養素が、グリコーゲン・アミノ酸として筋肉を合成させる役割を果たします。

しかし、トレーニング後に食事を摂れないときもあるでしょう。そんなときは、手軽に食べられるメニューを用意したり、食事を複数回に分けたりするなど、工夫をして栄養を補給することが大切です。

食事のタイミングはトレーニングの1時間後が目安

トレーニングの直後は、すぐに食べ物を消化することが難しいため、食事を摂るタイミングは1時間以上経ってからが目安です。トレーニング直後は、プロテイン・EAAサプリメントなどで栄養補給をすると良いでしょう。

筋肉の分解を止めて身体の疲れを取るには、たんぱく質と糖質を中心に、ビタミン・ミネラル・食物繊維・脂質を含んだバランスの良い食事がオススメです。筋肉は、栄養を運ぶインスリンの分泌を促進させる糖質のサポートを受け、たんぱく質を吸収することで損傷を修復して合成します。

筋トレをする人のための食事については、山本義徳先生が解説している以下の記事もご覧ください。

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トレーニング後の食事で摂りたい栄養素

筋肉の損傷を修復するためには、トレーニングのあとの食事で栄養素をバランス良く摂る必要があります。ここでは、たんぱく質・糖質・脂質・ビタミン・ミネラルの5つの栄養素の特徴・効果のほか、栄養素が多く含まれている食材を紹介します。

たんぱく質

たんぱく質は複数のアミノ酸で構成されている栄養素で、トレーニング後の食事で積極的に摂りたいものの一つです。たんぱく質には、筋肉・骨・血液・臓器など身体を構成する主成分となるうえ、酵素・ホルモンなど身体の機能を調整する成分にもなるという特徴があります。

トレーニング後の食事でたんぱく質が足りないと、筋肉の分解を止められず筋肉がつきにくくなり、体力・免疫力が低下してしまいます。

たんぱく質が多く含まれている食材は、牛肉・豚肉・鶏肉・魚介類・大豆製品・乳製品などです。筋肉づくりに適しているたんぱく質の量は、最低でも「体重×2g(体重70kgの人は140g)」が推奨です。なお、過剰に摂取した場合は、エネルギーとして消費されたり脂肪として体内に蓄積されたりします。

糖質

トレーニング後の食事で摂りたい栄養素の2つ目は、糖質です。糖質は、アミノ酸を運ぶインスリンの分泌を促進させ、筋肉の合成をサポートします。

糖質は、筋肉の合成に直接作用するわけではありませんが、不足すると身体を動かすエネルギー源が足りなくなってしまいます。トレーニング後の食事では意識して摂取するようにしましょう。

糖質が多く含まれているのは、炭水化物です。炭水化物は、糖質と食物繊維で構成されています。具体的な食材は、お米・パン・麺類・お餅・いも類・かぼちゃ・れんこん・とうもろこし・果物などです。筋肉を増やすためには、たんぱく質と糖質を1:3の比率で摂取すると良いといわれています。ただし、糖質を摂りすぎると体脂肪として蓄積されてしまうため、注意してください。

脂質

トレーニング後の食事で摂りたい栄養素の3つ目は、脂質です。脂質は、細胞膜・ホルモンを構成する成分で、長時間トレーニングをするときに効率の良いエネルギー源になる、脂溶性ビタミンの吸収を助ける、などの特徴があります。

脂質のうちの飽和脂肪酸が健康に良くないとされているときもありましたが、今では健康のために必要だともいわれています。脂質が足りないと、肌が乾燥したり便秘になったりするだけでなく、コレステロールが不足して、ホルモンの分泌が低下してしまうことも。

脂質が多く含まれているのは、油脂類・肉類・魚類・ナッツ・ゴマなどの種実類です。ただし、マーガリン・酸化した油は身体に良くないため、控えるようにしましょう。

ビタミン

身体の機能を正常に保つために欠かせないビタミンも、トレーニング後の食事で摂りたい栄養素です。

ビタミンは13種類あり、ビタミンB群・ビタミンCが水溶性ビタミン、ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKが脂溶性ビタミンと分けられます。

水溶性ビタミンは体液に溶け込んでおり、必要以上に摂取しても尿として排出されるため、体内の量が多くなりすぎることはありません。対して脂溶性ビタミンは水に溶けず、脂肪細胞・肝臓に貯蔵されるため、摂りすぎには注意しましょう。

筋力を保つために必要な量はそれほど多くはありませんが、体内ではビタミンをほとんどつくることができないため、食事で摂ることが大切です。ビタミンが多く含まれている食材はたくさんありますが、レバー・卵黄・豚肉・バナナ・ブロッコリー・サツマイモなどが代表的です。

ミネラル

トレーニング後の食事で摂りたい栄養素の5つ目は、ミネラルです。ミネラルは、骨・細胞をつくったり、筋肉・神経・ホルモンの働きを調整したりする栄養素のため、不足しないようしっかり摂取しましょう。

ミネラルには多量ミネラルと微量ミネラルがあり、それぞれたくさんの種類があります。ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リンは多量ミネラル、鉄・亜鉛・銅・マンガン・ヨウ素・セレン・クロム・モリブデンは微量ミネラルに分けられます。

ミネラルは、体内でつくることができないため、食事から摂取しなければなりません。ミネラルを多く含む食材は、海藻類・野菜類・果物類・豆類です。乾物・ドライフルーツは水分量が少ないぶん、100g当たりのミネラル含有量が多い傾向にあるため、効率的に摂取できるでしょう。

トレーニング後の食事メニュー例

トレーニング後の食事には、今回紹介した5つの栄養素をバランス良く含むメニューがオススメです。ここでは、「魚介のパスタ」と「鶏肉ときのこのリゾット」を紹介します。

筋トレをする人のための食事については、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。

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魚介のパスタ

魚介のパスタは、トレーニング後に摂るべき5つの栄養素を含んだメニューの一つです。例えば、タコ・ほうれん草・ひじきのパスタはいかがでしょうか。タコにはたんぱく質・ビタミンA・ビタミンB群、ほうれん草には鉄・ビタミンC、ひじきにはヨウ素・カルシウム、パスタには糖質が含まれています。

オリーブオイルなど、香りの良い良質な油を使うのがオススメです。トマト缶・チーズを入れれば、味のバリエーションも広がります。

鶏肉ときのこのリゾット

鶏肉ときのこのリゾットも、トレーニング後にオススメの食事メニューです。鶏むね肉・きのこ類を炒めたらご飯と牛乳で炊き、チーズと味噌で味つけします。加熱する時間を短めにして水分量を多くするとサラッと仕上がるため、疲れていても食べやすい一品です。

鶏肉のなかでも、特に鶏むね肉は、たんぱく質だけでなくビタミンB群も豊富な食材です。きのこにはビタミンDが多く含まれます。味噌には消化を助ける酵素が多く含まれているため、トレーニング後にぴったりです。

トレーニング後に十分な食事が摂れないときの対処法

トレーニングのあとに時間がないとき・疲れていて十分な食事が摂れないときは、手軽に購入できる食品・プロテインなどを活用しましょう。ここでは、トレーニング後に十分な食事が摂れないときの対処法を紹介します。

手軽な食品でたんぱく質を補給

筋肉の分解を止めて疲れを取るためには、たんぱく質をしっかりと摂らなければなりません。食事が摂れないときには、手軽に購入できる食品で補給すると良いでしょう。

以下のものは、コンビニ・スーパーで購入できる、高たんぱくの食品の一例です。購入の際の参考にしてください。

<肉類>
サラダチキン
スモークチキン
焼き鳥

<魚介類>
焼きちくわ
魚の缶詰
スルメ

<大豆製品>
蒸し大豆
豆乳

<乳製品>
プロセスチーズ
ギリシャヨーグルト

<そのほか>
ゆで卵

一度に食べるのが難しい場合は、複数回に分けて摂取しても構いません。トレーニング後のなるべく早いタイミングで上記のような食品を摂るようにしましょう。

高たんぱくの身近な食品については、以下の記事も参考にしてください。

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プロテインでたんぱく質を補給

持ち運びができるプロテインは、食品よりもさらに手軽に摂取ができるため、ジムなどの外出先でも簡単に補給することが可能です。紙パックですぐに飲める商品も、コンビニ・スーパーで売られているため、忙しい人でも利用しやすいでしょう。

プロテインには、ビタミンB・マグネシウム・亜鉛などのミネラルが含まれているもの・睡眠の質を向上させるL-テアニンが含まれているものなど、さまざまな商品があります。

山本義徳先生プロデュースの『VALX ホエイプロテイン』は、8種類のフレーバーから選べる、おいしさと溶けやすさにこだわって作られたプロテインです。ご興味のある人は、以下のページからご覧ください。

まとめ

トレーニングのあとに筋肉を修復させ疲れを早く癒すには、トレーニングの1時間後を目安に、食事を摂ることが大切です。食事の際は、たんぱく質・糖質・脂質・ビタミン・ミネラルの5つの栄養素を意識して摂るようにしましょう。食事のメニューとしては、魚介のパスタ・鶏肉ときのこのリゾットがオススメです。十分な食事を摂れないときは、手軽に食べられる食品・プロテインで栄養を補給しましょう。

公式ライン

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
静岡県出身の日本のボディビルダー・トレーニング指導者。プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。サプリメントにも精通しており、サプリメント博士の異名を持つ。
2019年4月に開設したYouTubeチャンネル『山本義徳 筋トレ大学』は登録者数69万人を超える。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。

【SNS】
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